2022.12.2

DESIGN MUSEUM JAPANから六本木クロッシング、草間彌生とLVまで。今週末見たい展覧会ベスト5

今週開幕/閉幕する展覧会から、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」の展示風景より、横山奈美の作品群
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日本の「デザインの宝」を発掘。「DESIGN MUSEUM JAPAN 展 集めてつなごう 日本のデザイン」(国立新美術館)

 日本各地に存在する優れた「デザインの宝」。それらを集めてネットワークを試みる展覧会「DESIGN MUSEUM JAPAN 展 集めてつなごう 日本のデザイン」が東京・六本木の国立新美術館で開催されている。

展示風景より

 本展は、山形、新潟、甲府、静岡、富山、和歌山、岡山、福岡に加え、昨年度に先行実施した5地域をあわせた13地域からデザインの宝物を見つけ出し、クリエイターの視点でひも解くことでその魅力を可視化するもの。また、日本中のそれらをつないでいくことで日本の「デザインミュージアム」を浮かび上がらせることも試みる。

 展覧会には、田根剛(建築家)、皆川明(デザイナー)、西沢立衛(建築家)など十数名のクリエイターが参加。それぞれのクリエイターの作品展示に加え、鑑賞者が体験できるワークショップも展開されている。様々な優れた作品を通し、日本の「デザインの宝」を発掘してみてはいかがだろうか。

会期:2022年11月30日〜12月19日
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00〜18:00(金〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
料金:無料

現代アートシーンの定点観測。「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館)

 森美術館が3年に一度開催する、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的なシリーズ展の第7回目「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」が、12月1日に開幕した。

展示風景より

 サブタイトル「往来オーライ!」は、現在の日本に息づく多様な文化が異文化交流や人の往来の歴史の産物であることの再認識を促し、コロナ禍で途絶えた人々の往来の必要性を提示する意図を考案されたもの。今年は、4名のキュレーションが企画を担当し、1940〜90年代生まれのアーティスト22組が参加している。

 コロナ禍の影響が続くなか、本展は「さまざまな隣人と共に生きる」「日本の中の多文化性に光をあてる」「新たな視点で身近な事象や生活環境を考える」という3つのトピックスをもとに構成されている。トピックスごとに区切られることのないものの、会場を一周するとそのゆるやかな遷移が感じられる各作家による様々な表現を堪能してほしい。

会期:2022年12月1日~2023年3月26日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00~22:00 (火〜17:00まで、ただし12月6日は〜16:00、1月3日・3月21日は〜22:00) ※12月17日は〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:無休
料金(平日窓口・土日祝オンライン):一般 1800円 / 高校・大学生 1200円 / 4歳〜中学生 600円 / 65歳以上 1500円
料金(平日オンライン):一般 1600円 / 高校・大学生 1100円 / 4歳〜中学生 500円 / 65歳以上 1300円
料金(土日祝窓口):一般 2000円 / 高校・大学生 1300円 / 4歳〜中学生 700円 / 65歳以上 1700円

東京都心をジャック。ルイ・ヴィトンと草間彌生のコラボレーション展(都内各所)

 2023年1月1日に日本と中国で発売されるルイ・ヴィトンと草間彌生のコラボレーションコレクション。そのリリースを前に、都内各所では草間彌生とルイヴィトンによるコラボレーション展示がスタートした。

渋谷スクランブル交差点の展示風景より ⒸLOUIS VUITTON / DAICI ANO

 会場となるのは、新宿、渋谷、東京駅、増上寺・芝公園の各エリアだ。草間作品の映像を上映する新宿駅東口駅前の3Dビジョンビルや渋谷のスクランブル交差点にある複数のビジョン、ハンドペイントの水玉模様が囲むスケートリンクが設置された東京駅エリア、草間のドットが描かれた増上寺の地面、代表シリーズである「南瓜」などが展示されるプリンス芝公園など、都心をまさに「ジャック」したような展示だ。

 なお今回のイベントは、全体的にAR(拡張現実)を駆使しているのが大きな特徴となっている。普段の風景と一変したそれぞれのスポットを巡ってみてはいかがだろうか。

会場:新宿、渋谷、東京駅、増上寺・芝公園の各エリア 

栖鳳作品37点を一挙公開。「竹内栖鳳」展(山種美術館)

 横山大観と並び、「東の大観、西の栖鳳」と称された京都画壇の中心的人物・竹内栖鳳(1864〜1942)。その没後80年を記念した回顧展が12月4日に閉幕する。

展示風景より、竹内栖鳳《班猫》(1924)

 本展は、山種美術館では10年ぶりの栖鳳の展覧会。栖鳳の代表作《班猫》(重要文化財)をはじめ、東京国立博物館所蔵の《松虎》(前期展示)や個人蔵の初公開作品を含む優品の数々とともに、その画業をたどる。

 展覧会は、栖鳳作品37点を一挙に展示する「竹内栖鳳」と、栖鳳門下で腕を磨いた画家たちの作品を紹介する「栖鳳をめぐる人々」の2章構成。なかでも、生涯で数多くの動物を描き、動物画の名手として高く評されていた栖鳳の代表作であり、山種美術館が所蔵する重要文化財《班猫》(1924)や、個人蔵の初公開作品《真桑瓜図》(1903)と《釈迦出山図》(1908)を見逃せない。

会期:2022年10月6日~12月4日 ※展示替えあり。[前期]10月6日〜11月6日、[後期]11月8日〜12月4日
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで 
料金:一般 1300円 / 大学生・高校生 1000円 / 中学生以下無料(付添者の同伴が必要)

ジャンルに限らぬ多様な表現。「ジャンルレス工芸展」(国立工芸館)

 石川県金沢市にある国立工芸館の所蔵作品展「ジャンルレス工芸展」も12月4日に幕を閉じる。

平松保城 スカルプチャー・ウエイト 1973 国立工芸館蔵

 本展では、国立工芸館が所蔵する国内外の優れた工芸・デザイン作品を中心に、あえて工芸と括らずに新しい視点で紹介。デザイン、現代美術、工芸といったジャンルを超え、大正から令和にかけて制作された作品約100点が並ぶ。

 出品作家は、ジュエリーデザインで知られる平松保城らや、現代美術の分野でも評価の高い青木千絵、池田晃将、見附正康、牟田陽日など。器からオブジェまで形状は様々だが、鑑賞者はジャンルを気にすることなく、工芸素材とそれを活かす卓越した技術を用いた幅広い表現にふれることができる。

会期:2022年9月16日~12月4日
会場:国立工芸館
住所:石川県金沢市出羽町3-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:09:30~17:30 ※入館は閉館30分前まで 
料金:一般 300円 / 大学生 150円 / 65歳以上・高校生以下・18歳未満無料