イームズ夫妻の歩みをたどる。「Eams Office: 80 Years of Design」(伊勢丹新宿店)
伊勢丹新宿店で、デザイナーのチャールズ・イームズとレイ・イームズ夫妻によって設立された「イームズオフィス」の80周年を記念する期間限定イベント「Eams Office: 80 Years of Design」が開幕した(2022年1月5日まで)。
本展は、20世紀のプロダクトデザインに大きな影響を与えたイームズ夫妻の活動を、貴重なヴィンテージ作品や復興作品、コラボレーションアイテムでたどるもの。代表作である「プライウッドチェア」(1946)や「グラスシェルチェア」(1950)などの椅子は展示販売も行われる。
また、自宅兼スタジオとして建てられた「イームズハウス」(1949)と、実際に建築されることのなかった「イームズモジュラーハウス」(1951)の模型も展示。後者は模型の原型が失われていたが、イームズオフィスが設計図や写真から再現したものだ。イームズ夫妻の思想をあらためて知ることのできるイベントに、ぜひ足を運んでみてほしい。
会期:2021年11月5日~2022年1月5日
会場:伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン・ザ・スペース
住所:東京都新宿区新宿3-14-1
電話番号:03-3352-1111
開館時間:伊勢丹新宿店営業時間に準ずる
料金:無料
ふたりがとらえた光と色彩。「シダネルとマルタン展 最後の印象派」(山梨県立美術館)
19世紀末から20世紀前半のフランスで活動し、「最後の印象派」とも称されるアンリ・ル・シダネル(1862~1939)とアンリ・マルタン(1860~1943)。このふたりの画家をあわせて紹介する展覧会が、山梨県立美術館でスタートした(2022年1月10日まで)。
生涯にわたる親交を結んだシダネルとマルタン。本展では初期から晩年の作品を通して、ふたりの絵画表現における共通項や画風の差異を明らかにする。ともに象徴主義に影響を受けたふたりだが、マルタンは明るい光のなかで風景や人物をとらえ、シダネルは控えめで静謐な美しさを称える風景画やリトグラフを描いた。
また、シダネルが習作の旅を通して自らの作風を洗練させていった様子をたどる展示や、いまもフランス国務院の壁面を飾っている装飾画の習作《農業》(1918)など、マルタンが大装飾画のために描いた習作群にも注目したい。いずれの作品にも、様々な土地の風景の光と色をとらえるそれぞれの方法を見ることができるだろう。
会期:2021年11月3日~2022年1月10日
会場:山梨県立美術館 特別展示室
住所:山梨県甲府市貢川1-4-27
電話番号:055-228-3322
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月 (1月3日、10日は開館)、12月27日~1月1日、1月4日
料金:一般 1000円 / 大学生 500円 ※新型コロナウイルスの状況により会期変更の可能性あり
描き続けるエネルギー。「塔本シスコ展 シスコ・パラダイス」(世田谷美術館)
50代から油絵を始め、2005年に91歳で人生を閉じるまで膨大な絵を残した塔本シスコ(1913~2005)。その画業を振り返る初の大規模回顧展「塔本シスコ展 シスコ・パラダイス かかずにはいられない! 人生絵日記」が、東京の世田谷美術館で11月7日に閉幕する。
本展では、シスコの作品200点以上を紹介。自由な絵画世界には植物や金魚など身の回りのものや、子供の頃の思い出、散歩でよく会う名も知らぬ人までが登場し、鮮やかな色彩と力強い筆致で描いている。キャンバスのほかダンボールやしゃもじにも描き、作品には制作と生活の一致が見て取れる。
なお本展はこの後、熊本市現代美術館(2022年2月5日~4月10日)、岐阜県美術館(2022年4月23日~6月26日、予定)、滋賀県立美術館(2022年7月9日~9月4日、予定)に巡回予定となっている。
会期:2021年9月4日~11月7日
会場:世田谷美術館
住所:東京都世田谷区砧公園1-2
電話番号:03-3415-6011
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで) ※日時指定制。 詳細・最新情報は公式ウェブサイトにて要確認
料金:一般 1000円 / 65歳以上 800円 / 大学・高校生 800円 / 小中学生 500円