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2021.10.22

ゲルハルト・リヒターの大規模個展が2022年に東京・愛知で開催へ。60年の画業を紐解く

現代美術の世界を代表する巨匠のひとり、ゲルハルト・リヒター。その大規模個展が、東京国立近代美術館と豊田市美術館で開催される。会期は東京展が2022年6月7日~10月2日、愛知展が2022年10月15日~2023年1月29日。

ゲルハルト・リヒター展メインビジュアル
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 ドイツが生んだ現代美術の巨匠ゲルハルト・リヒター。その生誕90年となる2022年、東京国立近代美術館と豊田市美術館で大規模個展「ゲルハルト・リヒター展」が開催される。リヒターの大規模個展としては、日本の美術館では16年ぶり、東京・愛知では初めての開催だ。

 ゲルハルト・リヒターは1932年東部ドイツ、ドレスデン生まれ。ベルリンの壁がつくられる直前の1961年に西ドイツへ移住し、デュッセルドルフ芸術アカデミーへ入学。「資本主義リアリズム」と呼ばれる運動のなかで独自の表現を発表し、注目を集めた。その後、イメージの成立条件を問い直す多岐にわたる作品制作を通じて、ドイツ国内のみならず、世界で評価されるようになった。これまで、ポンピドゥー・センター(1977年)、テート・ ギャラリー(1991年)、ニューヨーク近代美術館(2002年)、テート・モダン(2011年)など世界の主要美術館で個展を開催。日本では2005〜2006年にかけて金沢21世紀美術館、DIC川村記念美術館で個展を開催している。

 本展は、ゲルハルト・リヒターが自ら愛蔵してきた作品群を中心に、60年におよぶ画業を紐解くもの。

 注目すべきは、日本初公開となる大作《ビルケナウ》(2014)だ。この作品は、第二次世界大戦時、ユダヤ人強制収容所でひそかに撮られた写真のイメージを出発点として描かれた、幅2メートル×高さ2.6 メートルの作品4点で構成された巨大な抽象画。リヒターの心をとらえ続けながら、直接的にはなかなか取り組むことのできなかった「ホロコースト」という積年の関心事を主題にしたものだ。本展では、この作品を鏡や同寸法の写真作品とともに組み合わせ、日本で初めて公開する。

 美術史においても、またマーケットにおいても重要な存在であるゲルハルト・リヒター。本展はその画業を一望するまたとない機会となるだろう。

ゲルハルト・リヒター ビルケナウ(937-1) 2014 ゲルハルト・リヒター財団
キャンバスに油彩 260×200cm © Gerhard Richter 2022 (07062022)
ゲルハルト・リヒター ビルケナウ(937-2) 2014 ゲルハルト・リヒター財団
キャンバスに油彩 260×200cm © Gerhard Richter 2022 (07062022)
ゲルハルト・リヒター ビルケナウ(937-3) 2014 ゲルハルト・リヒター財団
キャンバスに油彩 260×200cm © Gerhard Richter 2022 (07062022)
ゲルハルト・リヒター ビルケナウ(937-4) 2014 ゲルハルト・リヒター財団
キャンバスに油彩 260×200cm © Gerhard Richter 2022 (07062022)