10月1日は都民の日。観覧無料となる美術館・博物館の展覧会をピックアップ

10月1日は「都民の日」。都立の美術館や博物館で開催されているもので、観覧無料となる展覧会を紹介する。

東京都現代美術館とエントランスに設置されている《2つの動かない頭部》(2015-16)

 10月1日は「都民の日」となっており、東京都の営造物や施設の入場料などが毎年無料となる。都立の美術館や博物館も、入場料が無料となる展示があるので紹介したい。

東京都現代美術館

特別展示「マーク・マンダース:保管と展示」(東京都現代美術館)展示風景より、《4つの黄色い縦のコンポジション》(2017-19)

 清澄白河の東京都現代美術館は、10月1日の都民の日はコレクション展「MOTコレクション Journals 日々記す」と、特別展示「マーク・マンダース:保管と展示」(ともに~10月17日)が観覧無料となる。

 なかでも見逃せないのは、特別展示「マーク・マンダース:保管と展示」だ。これは、今年6月22日まで開催されていた「マーク・マンダース ─マーク・マンダースの不在」の構成を変えたもので、同展の会期が緊急事態宣言によって短縮されたことを受けて急遽企画された。

 マンダース展と同じ作品を展示しながらも、保管作業の中途のようにも感じられるような構成は非常に印象的で、前回との違いを確かめながら楽しむことができる。

東京都美術館

「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」(東京都美術館)展示風景より、手前はズビニェク・セカル《無題》(1990-92)

 上野の東京都美術館では、「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」(〜10月9日)が観覧無料となる。

 同展は、東勝吉、増山たづ子、シルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田、ズビニェク・セカル、ジョナス・メカスの5人の作家を紹介するもの。いずれも故人だが、自らを取り巻く障壁を乗り越え、表現への情熱によって作品をつくりあげた作家だ。

 それぞれの持つ異なる背景から生まれた、絵画、彫刻、写真、映像といった多岐にわたる作品を、この機会に体感してはいかがだろうか。

東京都写真美術館

山城知佳子 土の人(劇場版) 2017 Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 恵比寿の東京都写真美術館で無料になるのは、「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」「宮崎学 イマドキの野生動物」(ともに〜10月31日)、「山城知佳子 リフレーミング」(〜10月10日)の3展覧会だ。

 「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」は、日本とオーストラリアの写真・映像表現を通して、現代人に共通する問題意識に焦点を当てた展覧会だ。

 また、「山城知佳子 リフレーミング」は山城の公立美術館では初となる展覧会。故郷である沖縄の歴史や地政学的状況と向き合ってきた山城が、作家としての現在地である最新作を核に、旧作を再配置。相互に共鳴する主題やモチーフの連なりを、展示室内を回遊しながら巡るような構成となっている。

東京都江戸東京博物館

東京都江戸東京博物館の常設展

 両国の東京都江戸東京博物館は、常設展が観覧無料となる。同館の常設展は、徳川家康が江戸に入府してからの約400年間を中心に、江戸東京の歴史と文化を実物資料や復元模型などを用いて紹介するものだ。

 江戸の町割りや、人々の暮らしと文化、そして文明開化後の東京の発展や、関東大震災、東京大空襲などの災厄と復興を展覧することができる。

東京都庭園美術館

東京都庭園美術館本館 南面

 白金台の東京都庭園美術館は、現在「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」展が開催中だが、都民の日は庭園のみ無料となる。

 旧朝香宮邸時代から引き継がれている芝庭や日本庭園、2018年に園路や樹木が整備された西洋庭園の3つで構成される庭園は、それぞれの造園に趣向が凝らされていて見どころが多い。1933年に建てられたアールデコ・様式の美術館建築を見ながら、庭園で過ごすのも一興だ。

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