「⼤阪と世界の近代・現代美術」をテーマとするコレクションを核に、発信⼒と創造⼒をもつアートのプラットフォームとなることをめざして2022年2⽉2⽇に開館する⼤阪中之島美術館。その来年度に開催される展覧会のラインナップが発表された。
来年2月22日からの同館のオープニング展覧会は、コレクション展「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」と、荒⽊悠、林勇気、柳瀬安⾥による「ホームビデオプロジェクト作品展⽰|テールズアウト」が決定しているが、これらに続く展覧会の予定が公開された。
4⽉9⽇からは、アーモンド型の眼をした優美な⼥性像で知られるアメデオ・モディリアーニ(1884〜1920)の国内14年ぶりの回顧展「モディリアーニ ─愛と創作に捧げた35年─」(〜7⽉18⽇)を開催する。国内外の美術館やコレクターが愛蔵するモディリアーニ作品とともに、盟友たちがパリで繰り広げた多彩な芸術の動向を紹介し、1910年代のパリを舞台に開花したモディリアーニの世界が展覧される。
4⽉9⽇〜7⽉3⽇と、8⽉6⽇〜10⽉2⽇の2期に分けては、コレクションを中心とした「みんなのまち ⼤阪の肖像」を開催。第1期を「明治・⼤正・昭和初期」、第2期を「戦後復興期から21世紀」と時代別に分け、絵画、写真、ポスターをはじめとした作品を展示することで、過去約1世紀半のあいだに⼤阪が⾒せた多彩な表情を紹介する。
7月23日からは「特別展 岡本太郎(仮称)」(〜10⽉2日)を予定。1970年に大阪で開催された⽇本万国博覧会のテーマ館《太陽の塔》でも知られ、今⽇でも幅広い世代の⼈々を魅了する芸術家・岡本太郎(1911〜1996)の芸術⼈⽣を振り返る⼤回顧展だ。代表作を網羅しつつも、これまであまり注⽬されてこなかった晩年の作品なども紹介しながら、その⽣涯をたどる。
10⽉15⽇から開催される「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」(〜2023年1月9日)は、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864〜 1901)とアルフォンス・ミュシャ(1860〜1939)のパリ時代のグラフィック作品に着⽬した展覧会。1891年から1900年までの10年間に焦点を当て、その作品と活動を紹介。
10⽉22⽇からは「すべて未知の世界へ―GUTAI 分化と統合」(〜2023年1⽉9⽇)。吉原治良(1905〜1972)を中心に1954年に結成され、1950年代から70年代にかけて⽇本の前衛美術を牽引してきた美術家集団「具体美術協会(具体)」は世界的にも評価が高い。⼤阪・中之島は、具体の活動拠点「グタイピナコテカ」が建設された地であり、この地で初の⼤規模な具体展を実施する。同展は隣り合う国⽴国際美術館とも共同開催される大型展となっており、具体が解散して50年の節⽬となる2022年に「分化と統合」というテーマを掲げ、新しい具体像の構築をめざす。
2023年1⽉21⽇からは「⼤阪の⽇本画(仮称)」(〜2023年4⽉2⽇)が開催される。幕末から昭和に至る近代⼤阪の⽇本画に注⽬し、その魅⼒と活動実態を明らかにしようと試みる展覧会だ。上⽅の⽂学や芸能と同様、⼤阪ならではの特徴や視点、作品の奥に広がるさまざまな背景を浮き彫りにすることで、個々の作品の魅⼒、画壇のあり⽅を再認識する。
さらに2023年1⽉28⽇からは、イギリス生まれ、ニューヨーク在住のアーティスト、サラ・モリスの展覧会が予定されている。