4巻全場面を一挙公開。「国宝 鳥獣戯画のすべて」(東京国立博物館)
平安時代・12世紀に、擬人化した動物たちや人々の営みを墨の線のみで躍動的に描いた国宝《鳥獣戯画》。その全場面を一挙に展示する特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」が、上野の東京国立博物館で開幕した。
《鳥獣戯画》は甲・乙・丙・丁の4巻からなり、全長は44メートルにおよぶ大作。それぞれに動物や人間たちの個性豊かな姿が描かれており、そのユーモラスな姿は人気が高い。本展の第1章では、動く歩道で鑑賞する「甲巻」をはじめ、全4巻が一度に展示されている。
ほかにも鳥獣戯画の一部が本体と切り離され、掛軸などに仕立て直された「断簡」や、様々な絵師が描いた「模本」を展示。また、《鳥獣戯画》が伝わった京都・高山寺の秘仏である重要文化財《明恵上人坐像》(13世紀)や、明恵上人ゆかりの品々も紹介されている。
会期:2021年4月13日~5月30日
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
問合せ:050-5541-8600
休館日:月(ただし5月3日は開館)料金:一般 2000円 / 大学生 1200円 / 高校生 900円 / 中学生以下無料
※事前予約制(日時指定券)
室町時代から近代までの絵師が集結。「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」展(サントリー美術館)
1883年にアメリカ中西部ミネソタ州最大の都市ミネアポリスのミネアポリス美術館(Minneapolis Institute of Art、通称「Mia」)は、約9万点を超える美術作品を収蔵している。そのうち約9500点におよぶ日本美術のコレクションを集め、室町時代から近世にいたる日本絵画の変遷をたどる展覧会が、東京・六本木のサントリー美術館で開幕した。
水墨画、狩野派、やまと絵、琳派、浮世絵、文人画(南画)、奇想派、近代絵画といった、日本絵画史の主要ジャンルを8章で紹介。雪村周継の水墨画や狩野派の襖絵、琳派の始祖俵屋宗達作とされる《伊勢物語図色紙「布引の滝」》、浦上春琴の南画、伊藤若冲や曾我蕭白に代表される「奇想」の絵師たちの作品などが展示されている。
室町時代から近代にいたるまで、時空を超えて一堂に集まった日本絵画の絵師たちが共演する、華やかな展覧会だ。
会期:2021年4月14日~6月27日(展示替えあり)
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
電話番号:03-3479-8600
開館時間:10:00~18:00(金土、4月28日、5月2日~4日 〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:火(ただし5月4日は20時まで、6月22日は18時まで開館)
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下無料
※開館時間は変更の場合あり。最新情報は美術館公式ウェブサイトを参照
収蔵品をキュレーション。「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」(東京オペラシティ アートギャラリー)
1976年イギリス生まれのアーティスト、ライアン・ガンダー。古今東西の美術作品や、日常生活で気に留めないあたりまえの物事への着目を出発点とした制作を行い、オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、映像など多彩なジャンルで発表を行ってきた。
今年、東京オペラシティ アートギャラリーではガンダーの個展を控えていたものの、新型コロナウイルスの影響により開催が延期に。そこで、同時開催を予定していた収蔵品のキュレーション展示を拡大して開催することとなった。
寺田小太郎によるプライベート・コレクションである東京オペラシティ アートギャラリーの収蔵品のなかから、小山穂太郎、李禹煥(リ・ウファン)、吉永裕、堂本右美、野又穫、大野俊明、赤塚祐二、奥山民枝、加藤清美、相笠昌義といった作家の作品を出品。これまで一度も展示されたことがなかった作品も、ガンダーのキュレーションによって日の目を見る。また、モノトーンの作品だけをまとめて展示したり、観客がライトで暗い展示室の作品を照らすなど、そのユニークな展示方法にも注目だ。
会期:2021年4月17日〜6月20日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー
電話番号:050-5541-8600
開館時間:11:00〜19:00
休館日:月(5月3日は開館)
料金:一般 1000円 / 大学・高校生 600円