2021.2.7

コレクションから国宝7点をすべて展示。静嘉堂文庫美術館の移転前最後の展覧会に注目

20万冊の古典籍(漢籍・和書)と6500点の東洋古美術品を収蔵する世田谷区岡本の静嘉堂文庫美術館。2022年には、展示ギャラリーを東京・丸の内の明治生命館内に移転予定。コレクションから国宝7点をすべて展示するという移転前最後の展覧会「旅立ちの美術」に注目だ。会期は4月10日~6月6日。

国宝 曜変天目 12~13世紀
前へ
次へ

 岩﨑彌之助(1851~1908)と岩﨑小彌太(1879~1945)の父子二代によって設立された世田谷区岡本の静嘉堂文庫美術館。国宝7点、重要文化財84点を含む、20万冊の古典籍(漢籍・和書)と6500点の東洋古美術品を収蔵している。

 1977年より世田谷で所蔵する美術品の一般公開をスタートし、92年に創設100周年を記念して美術館を開館した。そして2022年には、同館の展示ギャラリーが東京・丸の内の明治生命館内に移転予定。美術品の保管管理・研究閲覧業務、ならびに静嘉堂文庫(書庫)、敷地・庭園の管理業務などは、現在のまま世田谷で継続して行われるという。

 そして今回、移転前最後の展覧会「旅立ちの美術」が開催される(4月10日~6月6日)。本展では、《曜変天目》《禅機図断簡 智常禅師図》など同館所蔵の国宝7点がすべて集結。後期には、重要文化財《聖徳太子絵伝》を修理後初公開する。

 世田谷からの「旅立ち」と位置づけ、旅立ちとそれに伴う「出会い」と「別れ」をテーマに、人々が憧れた理想郷への旅、時代とともに受け継がれていく名品の旅路などを紹介しながら静嘉堂の歩みを振り返る。

川端玉章 桃李園・独楽園図屏風(左隻) 1895
古瀬戸芋子茶入 銘 雨宿  16世紀 後期展示(5月11日~6月6日)
河鍋暁斎 地獄極楽めぐり図《地獄極楽めぐり図》のうち 1869 -72 ※場面替えあり