静嘉堂文庫美術館の2018年は
歌川国貞と酒器に注目。
国宝「曜変天目」も展示

東京・世田谷の閑静な住宅街に位置する静嘉堂文庫美術館が2018年の展覧会ラインナップを発表した。18年は江戸時代後期を代表する浮世絵師・歌川国貞の個展をはじめ、酒器をテーマにした展覧会など4つを開催する。

国宝「曜変天目」 建窯 南宋時代(12〜13世紀)

 静嘉堂文庫美術館は、三菱第二代社長・岩﨑彌之助(1851~1908)と三菱第四代社長・岩﨑小彌太(1879~1945)の父子二代によって設立。国宝7点、重要文化財84点を含む、約20万冊の古典籍と6500点の東洋古美術品を収蔵する同館が、2018年で開催する展覧会ラインナップを明らかにした。

 18年のトップを飾るのは、江戸時代後期から幕末にかけ活躍した美人画と役者絵の名手・歌川国貞の作品展「歌川国貞展〜錦絵に見る江戸の粋な仲間たち〜」だ。静嘉堂で8年ぶりの錦絵の展覧会となる本展では、顔の部分を画面いっぱいに描く「大首絵」が多数出品される。艶やかな花魁や歌舞伎役者など、様々な画題を鮮やかな錦絵で楽しむことができる。

歌川国貞 仁木弾正左衛門直則 五代目松本幸四郎 1863

 また、4月24日からの「酒器の美に酔う」では、祭礼で重要な役割を担い、日常生活にも欠かせないものとして生み出されてきた多彩な酒器を紹介。3000年前の中国古代のものから、江戸時代末期まで、日本・中国・朝鮮の酒器文化と、酒をめぐる美術作品を同時に展覧する。なお、近年とくに注目を集めている同館所蔵の国宝「曜変天目」は同展で展示。18年に静嘉堂の「曜変天目」を見られるのはこの展覧会のみとなる。

色絵牡丹文水注 鍋島藩窯 17〜18世紀

 このほか同館では、明治150年を記念した「明治からの贈り物(仮)」(7月16日〜9月2日)、「北海道の名付け親」として知られる松浦武四郎を取り上げた「生誕200年 松浦武四郎展(仮)」(9月24日〜12月9日)を予定している。

編集部

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