錦絵をとおして江戸時代と歌川国貞の魅力を知る。8年ぶりの「歌川国貞展」が静嘉堂文庫美術館で開催

静嘉堂文庫美術館で、19世紀前半を代表する浮世絵師・歌川国貞の展覧会が開催されている。静嘉堂が所蔵する国貞の錦絵を一挙公開する本展の会期は2018年1月20日から3月25日。

歌川国貞(三代歌川豊国) 仁木弾正左衛門直則 五代目松本幸四郎 1863(文久3年) (前期展示)

 「綿のように美しい」と称えられた多色槢の浮世絵木版画「綿絵」は、江戸時代の庶民を大いに沸かした。浮世絵師・歌川国貞(1786〜1864)は、江戸時代後期から末期にかけて活動。若くから頭角を現し、三代豊国を名乗ってからは多くの門人を率いた。

歌川国貞 北国五色墨(花魁) 1815(文化12年) (前期展示)

 なかでも美人画と役者絵を得意とした国貞。静嘉堂文庫美術館で8年ぶりの国貞展となる本展では、大首絵や風俗画など、多彩な作品を展覧。登場人物もさまざまで、吉原に住む5人の女性の各階層の立ち居振る舞いを艶やかに描いた《北国五色墨(花魁)》から、鼻高(はなたか)幸四郎の異名を持つ、歌舞伎役者の五代目松本幸四郎を表した《仁木弾正左衛門直則 五代目松本幸四郎 秋野亭錦升 後 錦紅》まで、静嘉堂が誇る国貞が描く"粋な仲間たち"が一堂に集結する。

 光に当てることなく保存されてきた静嘉堂の錦絵。会場では、その名の由来となった鮮やかな色彩を保持した作品が展示される。江戸情緒を湛えた代表作を一挙公開する本展で、江戸の人々の日常を垣間見ることができるだろう。

編集部

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