今年7月、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館を同敷地内に移転し、新たに開館したSOMPO美術館。ここで2021年3月23日~6月6日、「生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」が開催される。
本展は、日本では23年ぶりとなる待望のモンドリアン展。オランダのデン・ハーグ美術館所蔵のモンドリアン作品50点に加え、国内の美術館から借用するモンドリアン作品と関連作家による作品約20点を展示する。
ピート・モンドリアンは、1872年オランダ中部のアメルスフォルト生まれ。1908年に画家ヤン・トーロップに出会い、象徴主義や神智学に傾倒しつつ、オランダの風景から風車、灯台、砂丘、聖堂などを描き、実験的作品を展開。11~14年に滞在したパリでキュビスムに触れた後は「新造形主義」理論を立ち上げ、第一次世界大戦を挟んで、静物や樹木など身近な主題を抽象化した独自の作風を築く。
水平垂直線と原色の平面による代表作「コンポジション」シリーズは、第一次世界大戦後、「新造形主義」に従って厳格につくりあげられたもの。晩年ニューヨークに移ってもなお精力的に制作を続けた。
デン・ハーグ美術館からの借用作品は、あまり知られていない初期の自然主義的な風景画から、晩年の「コンポジション」シリーズまで多岐にわたる。オランダからパリ、そしてニューヨークへと移り住みながら画風を変化させていったモンドリアンの軌跡をたどることができる。
またモンドリアンの絵画構成は、17年にテオ・ファン・ドゥースブルフらと結成した「デ・ステイル」をはじめ、デザインやファッションの領域においても盛んに取り入れられてきた。本展では、モンドリアンと同時代の作家による作品や、「デ・ステイル」関連のプロダクトなどをあわせて紹介。その芸術の広がりを再検証する。
なお本展はその後、愛知会場への巡回を予定している。