2020.11.10

寺田倉庫のコレクターズミュージアム「WHAT」。建築と文芸がコラボレーションする企画展「謳う建築」を開催

美術品保管を主軸に、幅広い分野でアート関連事業を展開している寺田倉庫が、12月12日に天王洲にコレクターズミュージアム「WHAT(WAREHOUSE OF ART)」をオープンさせる。オープニングではコレクション展示と同時に建築倉庫プロジェクトによる企画展「謳う建築(うたうけんちく)」が開催。会期は12月12日〜2021年5月30日。

吉村順三「湘南茅ヶ崎の家」 (c)瀬尾憲司
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 美術品保管を主軸に、幅広い分野でアート関連事業を展開している寺田倉庫が、12月12日に天王洲にコレクターズミュージアム「WHAT(WAREHOUSE OF ART)」をオープンさせる。

 WHATのオープニングはコレクターたちの所有作品による「―Inside the Collector’s Vault, vol.1―解き放たれたコレクション」展だが、同時に1階展示室では、建築模型や建築文化の価値を高めることを目的とする建築倉庫プロジェクトによる企画展「謳う建築(うたうけんちく)」も開催される。会期は12月12日〜2021年5月30日。

堀部安嗣「我孫子の家」  (c)瀬尾憲司

 「謳う建築」は、詩人であり建築家の立原道造の精神にインスピレーションを受けた展覧会。住まいと向き合い続けた建築家が生み出した住宅に宿る空気感や、五感を揺さぶる空間の本質を、文芸家の作品を通して浮かび上がらせる。

佐藤研吾「シャンティニケタンの家」模型 (c)In-Field Studio

 展示構成は、建築と文芸の領域を横断するものとなり、15名の文芸家による建築と文芸のコラボレーションが展開される。篠原一男が設計した「谷川さんの住宅」(1974)については、谷川俊太郎が新詩を創作。さらに吉村順三の住宅について蜂飼耳が、中村好文の住宅について小池昌代が詩作。また、能作文徳の建築をモチーフに、劇作家の長塚圭史が創作を行なう。

篠原明理 「昭島の住宅」 模型 (c)篠原明理建築設計事務所/m-sa

 住宅の設計プロセスにおけるスタディ模型20点以上や、スケッチ、図面、映像とともに、プロセス模型なども展示。空間を生み出す過程で生まれる建築の身体性に迫る展覧会だ。

伊藤寛「黒水晶の家」プロセス模型
高野保光「つづら折りの家」粘土によるプロセス模型 (c)井上裕太