鴻池朋子とコレクションの共演。「鴻池朋子 ちゅうがえり」(アーティゾン美術館)
石橋財団コレクションと現代美術家の共演シリーズ「ジャム・セッション」の第1回として開催されている「鴻池朋子 ちゅうがえり」は25日まで。アーティストと学芸員が協働し、コレクションの特定の作品からインスパイアされた新作などで展覧会を構成している。
鴻池の作品は円形状の新作インスタレーションを中心に展開され、瀬戸内国際芸術祭2019で発表した《皮トンビ》のそばには、ギュスターヴ・クールベ《雪の中を駆ける鹿》や、アルフレッド・シスレー《森へ行く女たち》などが配置される。鴻池が「みる誕生」と名づける、未知なる鑑賞の驚きや豊かさを感じることができるだろう。
なお、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館の展示帰国展「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」と、新収蔵作品の特別展示「パウル・クレー」、コレクション展示「印象派の女性画家たち」も同じく今週末の25日まで。こちらもあわせてチェックしたい。
会期:2020年6月23日~10月25日
会場:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
開館時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
料金:一般ウェブ予約チケット 1100円 / 学生無料(高校生以上は要ウェブ予約) ※日時指定予約制
私設美術館の新スペース。「KAMU BlackBlack」「KAMU sky」(KAMU kanazawa)
アートコレクター・林田堅太郎が6月に石川・金沢市にオープンさせた美術館「KAMU kanazawa」の新スペース「KAMU BlackBlack」と「KAMU sky」が、10月24日に同時オープンする。
「KAMU BlackBlack」は、金沢の町屋文化を感じさせる土地を活用した、幅3メートル、高さ7メートル、奥行き20メートルという細長い形の展示空間。こけら落とし展では、ドイツを拠点に活動するオーディオビジュアルアーティストの黒川良一が、空間を生かした新作インスタレーション《Líthi》を発表する。
「KAMU sky」は香林坊東急スクエアの屋上にオープンする野外展示スペースだ。こけら落としでは、近年多くの芸術祭で巨大な作品を発表して注目を集める久保寛子による大型彫刻作品《泥足》を展示する。
また、金沢21世紀美術館から徒歩3分という立地にある本館「KAMU Center」では、レアンドロ・エルリッヒ、桑⽥卓郎、ステファニー・クエールの3作家の展覧会が開催中なので、併せて楽しみたい。
KAMU BlackBlack、skyオープン:2020年10月24日
住所:石川県金沢市広坂1-1-52
休館日:月
料金:一般 1100円 / 小学生以下 無料 ※チケットの購入は広坂のKAMU Centerのみ
100人の写真家の「好奇心」に迫る。「東京好奇心 2020 渋谷」(Bunkamura ザ・ミュージアム)
10月20日に東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開幕した「東京好奇心 2020 渋谷」。16の国と地域の写真家100人による、「好奇心」から生まれた写真作品が集結する展覧会だ。
「写真という表現媒体を通じて社会のために何かできることはないか?」という思いから組織された活動団体「NPO東京画」は、2018年に「東京好奇心」プロジェクトを立ち上げ。18年秋と19年春にパリとベルリンで同名の展覧会を開催し、今回はその集大成を出発点である東京で実現した。
本展では、「IDENTITY」「DIVERSITY」「TIMELESSNESS」「HERE AND NOW」といった4つのキーワードをもとに、それぞれの写真家が独自の視点で作品を制作。つねに変化し続けてきた東京や、そこで暮らす人々の姿をとらえた約200点の写真が展示される。
会期:2020年10月20日〜11月12日
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は17:30まで
料金:一般 1000円 / 大学・高校生 500円