2020.10.21

金沢の私設美術館「KAMU」にふたつの新スペースが誕生。こけら落としは黒川良一と久保寛子

アートコレクター・林田堅太郎が6月に石川・金沢市に開館させた美術館「KAMU kanazawa」に、ふたつの新スペース「KAMU BlackBlack」と「KAMU sky」が10月24日にオープンする。

久保寛子 泥足 (C) Hiroko Kubo. Photo by Kazue Kawase (YUKAI) Courtesy of SPIRAL Wacoal Art Center
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 アートコレクター・林田堅太郎が6月に石川・金沢市にオープンさせた美術館「KAMU kanazawa」に、新しいスペース「KAMU BlackBlack」と「KAMU sky」が10月24日に同時にオープンする。

 金沢市の中心部にある竪町商店街の一角に位置するKAMU BlackBlackは、金沢の町屋文化を感じさせる土地を活用した、幅3メートル、高さ7メートル、奥行き20メートルという細長い形の展示空間。こけら落とし展では、ドイツを拠点に活動するオーディオビジュアルアーティストの黒川良一が空間を生かした新作インスタレーション《Líthi》を発表。サウンドとストロボライト、そして観客の頭上をレーザー光線が飛び交う大型作品となる。

 また、KAMU BlackBlackは本作の専用スペースでありながら、企画展示室としても活用。今後は企画展も実施する予定だ。

黒川良一 Líthi © RYOICHI KUROKAWA

 いっぽう、香林坊東急スクエアの屋上にオープンする野外展示スペース「KAMU sky」は、KAMU専用の屋外企画展示スペースとして機能する。こけら落としでは、近年多くの芸術祭で巨大な作品を発表して注目を集める久保寛子による大型彫刻作品《泥足》を展示する。

 これまで瀬戸内国際芸術祭やスパイラル(東京)でのグループ展で展示されてきた本作は、“徒歩”で金沢の街を回遊する仕掛けづくりに取り組むKAMUを象徴するようなものとなり、夜は作品をライトアップする演出も行われる。また、同スペースは今後、野外や屋上ならでの展示も行っていく予定だ。

本館「KAMU Center」での展示風景より、レアンドロ・エルリッヒ《階段》

 なお、金沢21世紀美術館から徒歩3分という立地にある本館「KAMU Center」では、レアンドロ・エルリッヒ、桑⽥卓郎、ステファニー・クエールの3作家の展覧会が開催中。今後、全スペース共通のチケットは本館のみで販売。街歩きをしながら現代アートを楽しみたい。