東京・新宿区にある草間彌生美術館は、7月30日より、展覧会「我々の見たこともない幻想の幻とはこの素晴らしさである」を開催する。会期は2021年3月29日までで、日時指定の予約制。
草間彌生は、幼時に見た幻覚を描きとめ、その恐怖を克服するために創作活動を始めたことは広く知られている。以降草間は今日に至るまで、幻覚や内面世界のヴィジョンを作品化し続け、その作品は世界中の人々を魅了している。
本展は、そんな草間彌生が見る多様なヴィジョンをテーマに、過去10年間に制作した作品を展示するもの。出展作品は日本初公開および世界初公開作品のみで構成されている。
例えば、草間が2009年から取り組んでいる大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」からは、最新作群が展示。また、花が部屋中を覆いつくす幻覚のヴィジョンを実現した参加型の最新プロジェクト《フラワー・オブセッション》や、本展のために制作した没入型のインスタレーション作品《無限の鏡の間 - 宇宙の彼方から呼びかけてくる人類の幸福への願い》などが初公開される。
恐怖をもたらす幻覚を、無限の宇宙の星屑のなかに没入するような恍惚をもたらすヴィジョンへと変貌させ、宇宙や未知の世界への憧れを描く草間。そのヴィジョンの現在形を体験したい。