銀座メゾンエルメス フォーラムで、アムステルダムを拠点とする写真家、アーティストのシャーロット・デュマの展覧会「ベゾアール(結石)」が開催される。会期は8月27日〜11月29日。
デュマは1977年、オランダ・フラールディンゲン生まれ。20年以上に渡って動物と人との関係性をテーマに、騎馬隊の馬や救助犬といった人間と密接な関係を築いている動物たちを被写体に、ポートレート作品を発表してきた。2014年からは北海道、長野、宮崎、与那国島などで、日本に現存する従来馬を撮影し続けている。
今回の展覧会は、デュマの近年の映像作品3点を中心に、動物と人との関わり合いを再考するもの。タイトルとなっている「ベゾアール」は、動物の胃や腸の中に形成される凝固物のことで、その存在はお守りや神秘的な想像と結びつけられてきた。デュマは馬と関連する品々や資料や馬の撮影を通じ、動物や植物と共存するひとつの証としてのベゾアールを取り上げながら、生の儚さを伝える。
さらに同展は、デュマが数年にわたって協働を続けてきたテキスタイルデザイナー・キッタユウコによる藍染めの布を用いたインスタレーションや、建築家・小林恵吾と植村遥による会場構成などにより、デュマの提示する物語をいくつかの視点から見つめることを試みる。
新型コロナウイルスにより世界がかつてないような状況に直面しているいま、自然や生命について見つめ直すための空間が提示される。