タイの気鋭、ウティット・ヘーマムーンの小説を岡田利規が舞台化。『プラータナー:憑依のポートレート』にcontact Gonzoの塚原悠也も参加

タイの現代文学を牽引するウティット・ヘーマムーンの小説『プラータナー:憑依のポートレート』を岡田利規が舞台化。セノグラフィー・振付にcontact Gonzoの塚原悠也を迎え、タイの俳優、日本とタイ両国のスタッフとの協働で制作された本作が、バンコク、パリを経て、池袋の東京芸術劇場で日本初上演される。上演期間は6月27日~7月7日。

Photo by Sopanat Somkhanngoen

 タイ現代文学の気鋭、ウティット・ヘーマムーンは1975年生まれ。執筆業の傍らビジュアル・アーティストとしても活動している。2014年には京都での滞在経験をもとに執筆した小説『残り香を秘めた京都』を発表。『ラップレー、ケンコーイ』(2009)で東南アジア文学賞、セブン・ブック・アワードを受賞するなど高い評価を得た。

 小説『プラータナー:憑依のポートレート』は、90年代初頭から2016年のタイに生きるある芸術家の半生と性愛遍歴を描きながら、芸術家を取り巻く社会や歴史、政治変遷を投影したウティットによる最新作。

 本作は、ウティットと同じく芸術家であり同世代でもある岡田利規が舞台化し、18年8月にバンコクでの初演を皮切りに、同年12月には「フェスティバル・ドートンヌ・ア・パリ/ジャポニスム2018 公式企画」の一環でパリでも上演された。

 そして今回本作は、2014年に設立された国際交流基金アジアセンターが、5年間の活動を総括する文化の祭典として東京都内と東南アジア3都市(ジャカルタ、ハノイ、バンコク)で行われる「響きあうアジア 2019」の一環として、池袋の東京芸術劇場で日本初上演。セノグラフィー・振付にはcontact Gonzoの塚原悠也を迎え、タイの俳優、日本とタイ両国のスタッフとの協働で制作された渾身の国際共同制作に期待したい。

編集部

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