竹橋の東京国立近代美術館が、独立研究者・著作家・パブリックスピーカーである山口周との共同開発によるビジネスパーソン向けプログラム「Dialogue in the Museum」を開催する。
構想から約1年をかけて開発が行われたというこの特別プログラムは、同館の所蔵作品を用いた対話鑑賞プログラムをベースに、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?─経営における「アート」と「サイエンス」』(光文社新書、2017)の著者である山口の特別講義を織り交ぜたワークショップ形式のセミナーだ。今後同館主催の特別プログラムとして、年3回ほどの開催を予定しているという。
プログラム内では、美術館の展示室で椅子に座り、本物の名画を見ながらギャラリートークを体験することができる。参加者の関心や疑問に基づき、ファシリテータの進行のもとメンバーが対話を重ねながら鑑賞を深める方法は、欧米の美術館でも取り入れられている現代の鑑賞方法だ。
ここで参加者の美術知識は問われず、先入観のない状態で作品を読み解いていくことにより、スリリングで深い鑑賞体験を得られるという。また鑑賞後はさらに理解を深めるために、ギャラリートークの体験と講義で得た疑問や感想を言語化して共有するディスカッションも行われる。
ロジカルな思考だけでなく、新たに感性や美意識の重要性が注目されている近年の経営デザインやビジネスシーン。観察力や思考力、表現力、多様性の理解、そして美意識を鍛える本格的な鑑賞セミナーは、経営デザインやビジネスに活かすための新たな視点を得る機会となるかもしれない。