大英博物館が2019年5月より、日本国外で行われるもとしては過去最大級のマンガ展「The Citi exhibition Manga」を開催する。
本展では、日本で出現した世界的な文化現象であるマンガに注目しながら、アニメやゲームからコスプレなどのパフォーマンスアートまで、日本マンガの魅力とその巨大な影響力を探求する。葛飾北斎や河鍋暁斎などの絵師の漫画やドラマチックなデザインから、手塚治虫、赤塚不二夫、鳥山明、井上雄彦、尾田栄一郎、萩尾望都、竹宮惠子、こうの史代、東村アキコなどの多彩な作品が紹介される。
本展のハイライト作品のひとつとして、早稲田大学演劇博物館が所蔵する《河鍋暁斎画 新富座妖怪引幕》が挙げられる。長さ17メートル、高さ4メートルのこの巨大な引幕は、画家河鍋暁斎が1880年に制作し、明治前期に東京を代表する劇場であった新富座で飾られていたものだ。線と色の間に現れる妖怪と幽霊を描き、現実と幻想の世界を往還する本作は、鑑賞者に伝統的な毛筆画と現代のマンガとの相互作用を示す。
大英博物館の館長、ハートウィグ・フィッシャーは、「マンガは、日本で完成した物語のモダングラフィックアートであり、いまや世界中で愛されています。日本の伝統を踏まえた最高のマンガは私たちを興奮させ、その世界に引きつける視覚的な力を持っています。今回の展覧会のように、現代のマンガ家の巨匠たちと北斎や暁斎などの過去の偉大な巨匠と一緒に展示できることを、光栄に思います」とコメントしている。
また、本展ではマンガを超えて世界的な現象であるポケモンなどのゲームをはじめ、マンガとそのキャラクターを生き生きと浮かびあがるオーディオやビデオのインスタレーションも展示される。
なお、鑑賞者がマンガの世界に没入できるような会場デザインも特徴。鑑賞者が東京のもっとも古いマンガ専門書店の世界に入り、マンガ家や編集者と出会うことや、特別なフォトブースで鑑賞者がマンガ作品になることができるような仕掛けも楽しめるという。