磯谷博史は1978年生まれ。東京藝術大学建築学科卒業後、同大学院先端芸術表現科および、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジで美術を学んだ。
主な展質会に「The Specter of Surrealism」(Atelier des Forges、アルル、2017)、「囚われ、脱獄、囚われ、脱獄」(CAPSULE / statements、2016)、「Lag」(青山目黒、2014)、「Personal Structures」(Palazzo Bembo、ヴェネチア、2013) などがある。
写真、彫刻、ドローイング、それらを組み合わせたインスタレーションを制作し、物事に対する認識を問い続けてきた磯谷。「時間にも、もっと種類と選択肢があっていい」と語り、時間に対する感覚の余地と、出来事を捉えることの奥深さを私たちに投げかける。
本展は、近年磯谷が取り組んできた、直線的な時間と認識の一貫性への見直しをさらに深めた内容。フレームのなかに収められた写真と、実際のインスタレーションが同時性をずらしながら共存する《視差的仕草》や、蜂蜜と集魚灯を組み合わせた作品《花と蜂、透過する履歴》などを発表する。
来年、森美術館の「六本木クロッシング2019展:つないでみる」への参加も予定されている作家の新作に注目したい。