東京国立博物館の所蔵品を中心に、VR(バーチャルリアリティ)による新しい鑑賞方法を体験できる「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」(同館東洋館地下1階)。ここで、江戸城天守の100万超の部材を精緻に再現したVR作品『江戸城の天守』の上演が10月3日よりスタートした。
同作は、徳川三代将軍家光が莫大な費用を投じてつくらせた江戸城最後の天守の姿と、その天守がどのようにつくられたのかを考える作品。 本作の制作にあたり、石垣や瓦から金具にいたるまで、江戸城を構成する100万超の部材一つひとつをデジタル化して再現。専属ナビゲータの案内のもと、 図面や絵図などの史料に加え、現存する文化財や伝統技術を手がかりとした再現過程を紹介する。
また、同館ではこれにあわせてARを使ったイベントを企画。専用のARアプリをダウンロードしたスマートフォンやタブレット端末を東京国立博物館本館に向かってかざすと、本館の高さ2倍以上ある実物大(約59メートル)の江戸城天守が画面に出現するというものだ。
江戸城天守は明暦の大火で焼失しているが、日本に実在した城の中では最大と言われている。東迫でその大きさや迫力を追体験してみてはいかがだろうか。
なお、同館では現在「マルセル・デュシャンと日本美術」展と「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展の2つの特別展が開催中。こちらもあわせてチェックしたい。