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運慶の次は快慶・定慶! 東京国立博物館「京都 大報恩寺」展で鎌倉彫刻をチェック

東京国立博物館で「マルセル・デュシャンと日本美術」展と同時に開幕したのが「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展だ。昨年、60万人以上を動員した「運慶」と同じく「慶派」の快慶、定慶、行快などが揃う本展の見どころとは?

展示風景より手前は快慶作の重要文化財《釈迦如来坐像》(鎌倉時代・13世紀、京都・大報恩寺蔵)

 京都の上京区に位置し、天台宗の僧侶・義空によって鎌倉時代の1220年に開創された古刹・大報恩寺。京都に数ある寺社仏閣のなかでは知名度が高いとは言えないが、大報恩寺の本堂はいまなお創建当時の姿を残す、洛中最古の木造建造物だ。

 一般的に「千本釈迦堂」の名で知られる同寺は、運慶とならぶ仏師である快慶、その弟子である行快、運慶一門の肥後定慶といった、いわゆる「慶派仏師」による鎌倉彫刻を多数保有する宝庫でもある。

千手観音菩薩立像 平安時代・10世紀

 東京国立博物館で始まった本展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」は、そんな大報恩寺から寺外初公開となる本尊の秘仏《釈迦如来坐像》をはじめ、快慶晩年の名品である《十大弟子立像》などを一堂に公開。《十大弟子立像》は通常、同寺の霊宝殿に安置されているが、当初は本堂にあり、本尊の《釈迦如来坐像》を囲むように置かれていた。本展では、その状況を再現するようにひとつの展示室で《釈迦如来坐像》と《十大弟子立像》を一度に、しかも各像はすべて360度の方向から見ることができる。

展示風景より中央が快慶作の重要文化財《釈迦如来坐像》
《十大弟子立像》の展示風景

 加えて、肥後定慶がつくりあげた《六観音菩薩像》にも注目したい。六観音菩薩とは、聖観音、千手観音、馬頭観音、十一面観音、准胝観音、如意輪観音の総称。地獄道や餓鬼道をはじめとする六道から人々を救う仏として平安時代以降に流行した。

 本展の《六観音菩薩像》は、中世に遡るものであり、光背(こうはい)、台座までが完全に揃った唯一の作例。

展示風景より肥後定慶作《六観音菩薩像》(1224)

 展示方法も特徴的で、会期前半(〜10月28日)は光背をつけた姿を、後半(10月30日〜)は光背を取り外した姿を公開するという東京国立博物館史上初の試みがなされる。

 昨年の「運慶展」に続き、本展でも慶派の名品を堪能したい。

展示風景より肥後定慶作《六観音菩薩像》(1224)

編集部

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