石田尚志が個展「絵と窓の間」で新作を発表。とめどない描画行為に見出される予期せぬドキュメンタリーとは

画家/映像作家の石田尚志が個展「絵と窓の間」を、六本木のタカ・イシイギャラリー東京で開催する。本展では、石田の長期にわたる1枚のタブローへの描画行為が、やがて展示空間全体へと波及していく様子を記録した新作のドローイング・アニメーションが公開される。会期は10月20日~11月17日。

石田尚志 絵と窓の間 2018 © Takashi Ishida

 石田尚志は1972年東京生まれの画家であり映像作家。1コマずつ線を描いて撮影するドローイング・アニメーションという手法によって、空間のなかに増殖する線や移動する点といった運動性を介入させ、空間の質を変容させるインスタレーションを手がけている。

 近年は、あいちトリエンナーレ(2016)、シャルジャ・ビエンナーレ13(シャルジャ、2017)などの展覧会に参加。国内外で精力的に活動を行っている。『部屋/形態』(1999)が「イメージフォーラム・フェスティバル 1999」で特選を受賞。その後2007年には、五島記念文化賞新人賞を受賞した。

石田尚志 絵と窓の間 2018 © Takashi Ishida

 今回、六本木のタカ・イシイギャラリー東京で開催される個展「絵と窓の間」では、圧倒的な密度で構成される新作のドローイング・アニメーションが発表される。同作は、長期間にわたり1枚のタブローへの描画を続け、その行為がやがて室内空間全体へと波及していく様子を、ドローイング・アニメーションとして記録したもの。

 加えて、石田はその編集作業から、無意識的な描画行為に隠されていた構造を新たに見出し、再構築し、「絵と窓の間」にあふれる光の空間を出現させることを本展で試みる。

 これまでも映像の本質・絵画・時間の関係を問うため、編集作業を通じて時間の不可逆性や反復を表現してきた石田。さらにフィルムとデジタルによるフリッカーやオーバーラップの光を取り入れたという新作を体験したい。

編集部

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