フロリアン・クラールが
発電所美術館で個展を開催。
大規模インスタレーションから現る
無意識の森のなかの物語とは?

ドイツの美術家、フロリアン・クラールの個展「Waldmärchen(森の伝説)」が富山県の発電所美術館で開催される。本展では、木材、オブジェ、彫刻、ドローイング、音楽、映像など、様々なメディアを用いた新作インスタレーションが発表される。会期は7月14日〜10月8日。

メインビジュアル(新作イメージ)

 フロリアン・クラールは1968年ドイツ生まれの美術家。92年にシュトゥットガルト国立芸術大学彫刻科を卒業後、94年に同大学大学院を修了。同年、武蔵野美術大学彫刻科に研究員としても在籍した。

 これまで「ソラリス」(三菱地所アルティウム、福岡、2001)のほか、東京のレントゲンクンストラウムでは過去2度の個展を開催。また、第1回横浜トリエンナーレ(2001)、神戸ビエンナーレ(2007)といった芸術祭にも参加するなど、精力的に活動を行っている。主な受賞歴に、第5回KAJIMA彫刻コンクール金賞(1997)、第6回東京野外現代彫刻展大賞(1998)がある。

フロリアン・クラール Ulisse - Part 2 of 7 神戸ビエンナーレでの展示風景 2007
 撮影=フロリアン・クラール

 フロリアンは、複雑な構造の形態をダイレクトに表現した彫刻や映像作品を得意とし、その作品の多くが、アジアを中心に国内外の公共空間に設置されている。

 今回、富山県の発電所美術館で開催される個展「Waldmärchen(森の伝説)」では、「虚構と現実の間」「キッチュと厳粛の間」に佇む「無意識の森のなかの物語」をテーマとした新作インスタレーションが発表される。

フロリアン・クラール Hagen II (Model) 2018 撮影=フロリアン・クラール

 断片的に配置される木材、オブジェ、彫刻、ドローイング、音楽、映像は、それぞれがその時代や場所といった固有の要素や特徴を持ついっぽうで、普遍的な意味や共通項も含まれる。

 発電所の面影が残る「発電所美術館」という場とも作用しあい、新たな物語性によって融合する大規模インスタレーションは、その中に見る者が入り込み、体感できるインタラクティブなものとなる。

フロリアン・クラール Three Chambers 2014 撮影=フロリアン・クラール

編集部

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