今回、山口情報芸術センター[YCAM]は、ニューヨークを拠点に活躍するアートユニット「エキソニモ」を共同キュレーターに迎えて「メディアアートの輪廻転生」展を企画。
エキソニモと本展を開催するにあたって、過去にYCAMのプログラムに関わったことのある100名以上のアーティストにアンケートを実施し、その集計結果をもとに、それぞれが持つアートの死生観を紐解くことを試みる。
本展ではエキソニモとYCAMが議論し、「100年後のメディアアートの姿」を思考するなかで作られた、巨大な「メディアアートの墓」が展示空間に出現する。この「メディアアートの墓」の内部には、エキソニモのほか、高嶺格やラファエル・ロサノ=ヘメルなど複数の作家がそれぞれ自身の過去作品から、死を迎えた作品が展示されるという。
コンピューターや映像・音響機器を駆使して制作されたメディア・アートは、つねに先端の芸術であるととらえられる一方で、故障や技術環境の変化によって動かなくなるなど多くの困難に直面している。このような状況を出発点に、メディア・アートの「死」と「転生」を考える本展は、現代人にとって文化継承の新たなかたちを模索する機会となるだろう。