映画監督・三宅唱と共同制作!
新作インスタレーション展
「ワールドツアー」がYCAMで開幕

山口情報芸術センター[YCAM]が実施している滞在型映画製作プロジェクト「YCAM Film Factory」。第4弾招聘監督である三宅唱とYCAMが共同制作した新作インスタレーション展「ワールドツアー」が現在開催されている。会期は2018年5月27日まで。

三宅唱+YCAM「ワールドツアー」 写真提供=山口情報芸術センター[YCAM]撮影=田邊アツシ

 山口情報芸術センター[YCAM]では、YCAMの環境やこれまでの知見を背景にいまの時代の映画のあり方を模索し実践する、滞在型映画製作プロジェクト「YCAM Film Factory」を実施している。第4弾招聘監督である三宅唱は、『やくたたず』(2010)や『Playback』(2012)といった長編劇映画で知られ、近年では建築家の鈴木了二やラッパーのOMSBらと共同制作するなど、その活動は幅広い。また、最新作『きみの鳥はうたえる』が2018年秋に全国公開予定。

三宅唱+YCAM「ワールドツアー」 写真提供=山口情報芸術センター[YCAM]撮影=田邊アツシ

 現在開催中の三宅唱とYCAMの共同制作による新作インスタレーション展「ワールドツアー」は、映画監督である三宅が記録した映像と、プロフェッショナルな映画制作者ではない撮影者によって記録された映像とを、三宅が編集し複数のスクリーンで再構成した作品だ。

 本展の素材となったのは、2017年8月から半年以上にわたって三宅が山口に滞在している間、スマートフォンの動画撮影機能のみを使って撮影した日常風景と、同時期にYCAMスタッフをはじめとする複数名の撮影者によって記録されたそれぞれの「映像日記」。

三宅唱+YCAM「ワールドツアー」 写真提供=山口情報芸術センター[YCAM]撮影=田邊アツシ

 スマートフォンの登場と普及により、誰でも簡単で気軽に映像が撮れる現在において、映画監督である三宅は、何気ない日常の中に小さな驚きを見つけ、日々撮影を積み重ねていくことで、再び新しい視点を拓こうとしている。

 数々のスクリーンに映し出されるのは、複数の人間の視点が混ざり合った「誰のものでもない視点」。独特のまなざしで世界と向き合う映像群は、観る者に新しい発見を与えるだろう。

編集部

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