新作はあの映画にトリビュート?
「セクシーロボット」で知られる
空山基が渋谷で個展を開催

東京・渋谷のNANZUKAが空山基の個展「Sorayama Explosion」を開催。本展では、ヒューマンスケールサイズの新作彫刻のほか、「セクシーロボット」シリーズの源泉のひとつであるフリッツ・ラング監督作品『メトロポリス』(1927)にトリビュートした新作絵画が発表される。会期は7月7日〜8月11日。

©Hajime Sorayama Courtesy of the artist and NANZUKA

 空山基は1947年生まれ。69年に中央美術学園を卒業し、その後広告代理店勤務を経て72年にフリーランスに転身。エアブラシを駆使した「写実表現技法のゴッドファーザー」として知られる空山の活動は、日本のコマーシャルアートの枠を超え、ハリウッド映画からファインアートまで多岐にわたる。

 空山の名を世に知らしめるきっかけとなった「セクシーロボット」シリーズ(1978〜)は、女性の人体美をロボットに取り込んだ表現で、その後のロボットのイメージ形成に大きな影響を与えた。空山の描くロボットは、その造形において「美を追求する」という人間の根源的な衝動を体現していると同時に、「人種の壁」「永遠の命」「テクノロジーと美の融合」など、現代社会において重要とされるテーマを含んでいる。

©Hajime Sorayama Courtesy of the artist and NANZUKA

 また、AIの高度化や機械工学の発展によってロボットと人類の共存が現実的な今日において、美しい女性型ロボットへの感情移入を描いたアレックス・ガーランド監督作品『エクスマキナ』(2015)との関連性も語られているように、近未来の「人間の身体性」という文脈でも注目が集まっている。

 「Sorayama Explosion」と題された今回の個展では、ヒューマンスケールサイズの新作彫刻のほか、「セクシーロボット」シリーズの源泉のひとつであるフリッツ・ラング監督『メトロポリス』(1927)にトリビュートした新作絵画が発表される予定だ。 

©Hajime Sorayama Courtesy of the artist and NANZUKA

編集部

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