人々を照らすセンチメンタルな光。ヘンリー・テイラーが日本初となる個展を開催

ロサンゼルスのダウンタウンで、身近な人物、架空のキャラクター、セレブリティに至るまでの様々な人物を平等な眼差しで描いたポートレイト作品などを手がてきたヘンリー・テイラーが、日本では初となる個展を開催する。会期は3月24日〜5月19日。

ヘンリー・テイラー Far away Thinking of You 2017 © Henry Taylor Courtesy of the artist and Blum & Poe, Los Angeles/New York/Tokyo

 ヘンリー・テイラーは1958年、カリフォルニア州ヴェンチュラ生まれ。カリフォルニア芸術大学(カルアーツ)にて油彩を学び、現在、ロサンゼルスのダウンタウンを拠点に活動している。これまでスタジオ・ミュージアム・イン・ハーレム(ニューヨーク)、サンタモニカ美術館、MOMA PS1などで個展を開催するほか、グループ展にも多数参加してきた。

ヘンリー・テイラー Tatiana and Danny - Greece 2017 © Henry Taylor Courtesy of the artist and Blum & Poe, Los Angeles/New York/Tokyo

 テイラーは、仲間、家族、知り合いといった身近な人物や、さらには、アフリカ系アメリカ人を代表するようなミュージシャン、活動家、スポーツ選手といった有名人に至るまで、様々な人物を描画。モデルたちとの偶然の出会いや直感的に感じた共感をきっかけとして生まれるポートレイトには、作家が長年にわたって発展させてきた視覚言語とも形容しうるものが表現されている。

 いっぽうで、自身の過去の悲劇的な出来事や、直接的なイメージを伴う過去、現在の黒人に対する構造的な抑圧の様相といったテーマも、画中の要素や表現の中に示唆的なモチーフとしてしばしば登場。総じてテイラーの作品には、人々に注がれた共感的な感情や題材への理解が内在、作家が対象に対して抱く尊さなどの感情が常に漂っている。

ヘンリー・テイラー Ghanaian #3 2017 © Henry Taylor Courtesy of the artist and Blum & Poe, Los Angeles/New York/Tokyo

 本展で紹介する作品群は、2017年にポルトガル、タンジェ(モロッコ)、アクラ(ガーナ)、アンティパロス(ギリシャ)、パリ、グアダラハラ(メキシコ)、ハバナ(キューバ)といった地を巡ったテイラーの旅を通じて制作されたペインティングを発表する。

編集部

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