京都造形芸術大学が「KUAD ANNUAL 2018 シュレディンガーの猫」と題した展覧会を東京都美術館で開催する。
本展は、森美術館チーフ・キュレーターで同大学大学院芸術研究科教授の片岡真実が、卒業制作および修了制作に取り組む839人の学生の中から、出展作家を制作段階で選抜・キュレーションし、ひとつのテーマ展として発表するもの。17年度の今回を初回に、21年度までの5年間、毎年継続開催する予定となっている。
第1回目の今回、片岡が掲げたテーマは「シュレディンガーの猫」。量子力学の思考の矛盾を猫の生死に置き換えて指摘した思考実験と、現代社会の複層性、不確実性を重ね合わせ、複数の価値観の共生が求められるこれからの時代に向けた新しい視点を提示する場を目指す。
出品するのは、日本画や油画、版画、映像、染織、CGアニメーション、環境デザインやプロダクトデザインなど、幅広い分野の23名と1チーム。8月の選抜の後、片岡の制作指導を受けながら発表の準備を進めており、展覧会では成果物だけでなくリサーチや思考のプロセスを重視した展示を行う。