建築家・隈研吾(1954〜)は、土地の環境、文化に溶け込むことを目指した建築で国際的な評価を受け、これまでに20ヶ国以上の国々で建築を設計。2020年の東京オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の設計にも携わるなど、現在も多数のプロジェクトを展開し続けている。
本展では、「負ける建築」「自然な建築」など独自の理念を実践してきた隈の、約30年にわたるプロジェクトを紹介。「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」という展覧会タイトルが表す通り、とくに素材に着目し、隈のこれまでの仕事を時系列ではなく主要なマテリアル(竹、木、紙、石、土など)ごとに分類・整理することで、「もの」という観点から概観を試みる。
展示は、模型、モックアップ(実物素材による原寸大の部分模型)、映像や素材サンプルなどで構成。また、バルーンと薄い布による茶室「浮庵(フアン)」や、竹の特性を活かして制作された新作など、空間体験を楽しめるパビリオンも複数展示される。
また本展に関連して、隈をはじめとする建築にまつわる様々なプロフェッショナルが講師を務める連続講座「東京駅で建築講座」も開催されるので、あわせてチェックしたい。