「横浜トリエンナーレ」や「日産アートアワード」など、数々の展覧会場として利用されてきた「BankART Studio NYK」。同施設は、管理する横浜市と所有する日本郵船との賃貸更新契約が更新できなかったため18年4月で閉鎖することが決まっている。これに対し、運営継続を願う呼びかけ「BankART POST 2018ーBankART Studio NYKをこれからもこの場所で続けてほしい。ー」がクラウドファンディングサービス「MOTION GALLERY」で展開されている。
同ファンディングは、弁護士・尾谷恒治の呼びかけによってスタートしたもので、継続を願う人々の声を手紙で、日本郵船と横浜市に届けると同時に、BankARTを再発見するためのアーカイブ映像も制作するというプロジェクト。
尾谷は、これについて「このプロジェクトは、弁護士として誰かの代理人をしているのではなく、個人の立場で活動をしています。150年以上前に始まった横浜の港湾都市としての歴史や、何十年にもわたって生き続けた建物だけがもつ壁や扉、柱の荒々しい質感、BankARTになってその後多くのクリエーターと紡ぎあげてきた記憶が織りなす空間は、私にとって大切な場所です。同じ想いをもつ人たちをつなぎ、この場所で続けるためのきっかけになればと思い、クラウドファンディングを始めました」としている。
手紙の第1号として、アートディレクターの北川フラムも参加しており、同サイトでは北川の手紙として「BankART1929は、日本美術の自由で豊かな世界に開かれた唯一無二のプラットフォームであります。それが実現できているのは、港横浜、その歴史を体現している日本郵船倉庫に拠点を置いているからこそだと考えます。よって、BankART1929 Studio NYKの現時点での存続を強く希望する次第です」というコメントを確認することができる。
同プロジェクトの目標金額は100万円。12月12日現在で13名が参加し、15万9000円を調達。調達の終了日は2018年3月30日が予定されている。