INTERVIEW -

心の傷を"継ぐ" アーティスト・渡辺篤インタビュー 前編

渡辺篤 黄金町バザールの展示会場にて
《女の子に生まれてしまった。》コンクリートに金継ぎ、塗料 2016割ったあとに金継ぎされたコンクリート板。ここに書かれた言葉はすべてネットで募集して届いた匿名の声だ ©ATSUSHI WATANABE
金継ぎをする渡辺。筆で丁寧に傷を装飾していく
今回の個展は展示室AとBの2部屋で構成。Aには募集した声をもとにした作品が壁面にずらりと並び、それらは木の幹のように金継ぎの線が繋がっていくように掲げられる。またBは渡辺自身の過去を振り返るように、引きこもり時代に蹴破った実家のドアの再現作品などが並ぶインスタレーションとなっている
2014年の個展「止まった部屋 動き出した家」の様子。「家の形の造形物自体が、その床を水面に見立てて、床の中に落ちています。それは津波で流されている様子でもある。生死が問われるような状態で引きこもっている状態というのは、実際に東日本大震災が起きた東北でも起きていて、家と一緒に流された人や、震災をきっかけに引きこもりをやめた人もいる。そういう究極の選択の状態を、展覧会場のビジュアルとして用意したかった」と語る
©ATSUSHI WATANABE Photo by KEISUKE INOUE Courtesy of NANJO HOUSE
渡辺のホームページではいまもなお「心の傷」の募集が続けられている。また「黄金町バザール」の会場でも「心の傷」を紙に書いて投書できる
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編集部