精巧なものづくり×独創的なアイデアが光るカプセルトイのいま
──独自の進化を遂げたカプセルトイ。その進化の方向性も多様ななかで、ぜひ小野尾さんが気になっているものやおすすめのものがあればご紹介をお願いします。例えば、精巧なつくりを極めたといえるカプセルトイはありますか?
小野尾 精巧なつくりといえば、ターリン・インターナショナルから発売されている「ネットワーク機器メーカー監修 手のひらネットワーク機器」シリーズはすごい。とてもニッチな商品ですが、好きな人にはたまらないこだわりが詰め込まれています。実際の大きさの12分の1サイズになっている「極小お弁当」も細かいですよね。こちらは4種類あるおかずを好きに詰め替えることができます。


──シリーズ内の複数の種類を手に入れることで楽しみ方が広がる工夫も感じられます。それにしてもかなりニッチな商品にも人気が集まっているのですね。
小野尾 ニッチという点で言えば、ナンのかたちをしたサドルカバーや、ねぎを入れる専用の袋「ねぎ袋」なんていう商品もあります。「いったい誰が使うんだ」というような突飛なアイデア自体に魅力を感じられるのも、カプセルトイの特徴のひとつです。
また、私がとくに気に入っているのは、「ぴちぴち鮮魚」です。鮮魚のフィギュアだけでもいいのに、あえて鮮魚を手で動かせるギミックを付けている。そんな遊び心のある「ワンギミック」があることで、フィギュア以上の体験ができる点も、いまのカプセルトイの面白さのひとつだと思います。

──メーカー独自のアイデアが光りますね。先ほど話に出てきた「手のひら電子機器」などは企業とのコラボ商品です。ほかにも、スタンドストーンズからは大手時計メーカーのカシオ計算機とのコラボ商品「CASIO ウィッチリングコレクション」や、水産加工用機械で数々の実績を誇る鍵本鐵工とのコラボ商品「天日いか乾燥機」、いきもんからは大手缶詰製造会社のマルハニチロとアートユニット・現代美術二等兵とのコラボ商品「缶詰リングコレクション」を発売しています。このように、カプセルトイにおけるコラボ先も多様化しているのでしょうか?
小野尾 様々な企業とのコラボ商品も増えるなか、最近では作家さんとのコラボ商品も非常に増えてきました。とくに昨年あたりからは女性人気も高まっているようです。街中でも鞄につけている様子を頻繁に見かけます。





コラボによる進化のほかに、実用性を持たせたものが出てきたという点も、カプセルトイの進化のひとつです。トイズスピリッツは、実際に氷を削ることができるミニチュアかき氷器や、栓を開けると水が出てくるミニチュアウォーターサーバーをつくっています。また録音・再生ができるミニチュアのガラケー(ガラパゴス携帯電話)なんていう商品も。「実際に使える」という特別感に大きな魅力を感じますね。



カプセルトイは、「玩具」ではなく「雑貨」、あるいは一種の「作品」だといってもよいと考えています。驚くほど精巧かつ、つくり手独自のアイデアが詰め込まれている。そしてこれらが300〜500円ほどの価格で手に入るという点もあわせて、「カプセルのなかで進化した」日本のものづくりの結晶だと言えるでしょう。




















