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カプセルトイ、精巧と独創を追求したその現在地。日本ガチャガチャ協会会長・小野尾勝彦に聞く【3/4ページ】

精巧なものづくり×独創的なアイデアが光るカプセルトイのいま

──独自の進化を遂げたカプセルトイ。その進化の方向性も多様ななかで、ぜひ小野尾さんが気になっているものやおすすめのものがあればご紹介をお願いします。例えば、精巧なつくりを極めたといえるカプセルトイはありますか?

小野尾 精巧なつくりといえば、ターリン・インターナショナルから発売されている「ネットワーク機器メーカー監修 手のひらネットワーク機器」シリーズはすごい。とてもニッチな商品ですが、好きな人にはたまらないこだわりが詰め込まれています。実際の大きさの12分の1サイズになっている「極小お弁当」も細かいですよね。こちらは4種類あるおかずを好きに詰め替えることができます。

IT インフラ機器メーカーが監修し、機器やサーバーラック、小物などをミニチュアで再現したカプセルトイ「手のひらネットワーク機器」シリーズのVer.3.1。4種類すべてが出るとラックを組み上げることができる。付属のLANケーブルを繋げられる点もポイント
実物の12分の1スケールのミニチュア「極小お弁当」。付属のピンセットを使い、自分でおかずパーツを組み替えることもできる

──シリーズ内の複数の種類を手に入れることで楽しみ方が広がる工夫も感じられます。それにしてもかなりニッチな商品にも人気が集まっているのですね。

小野尾 ニッチという点で言えば、ナンのかたちをしたサドルカバーや、ねぎを入れる専用の袋「ねぎ袋」なんていう商品もあります。「いったい誰が使うんだ」というような突飛なアイデア自体に魅力を感じられるのも、カプセルトイの特徴のひとつです。

 また、私がとくに気に入っているのは、「ぴちぴち鮮魚」です。鮮魚のフィギュアだけでもいいのに、あえて鮮魚を手で動かせるギミックを付けている。そんな遊び心のある「ワンギミック」があることで、フィギュア以上の体験ができる点も、いまのカプセルトイの面白さのひとつだと思います。

お造りのミニチュア「ぴちぴち鮮魚」。横についているギアを左右に動かすと魚がまるでぴちぴち動いているかのように見えるギミック付き

──メーカー独自のアイデアが光りますね。先ほど話に出てきた「手のひら電子機器」などは企業とのコラボ商品です。ほかにも、スタンドストーンズからは大手時計メーカーのカシオ計算機とのコラボ商品「CASIO ウィッチリングコレクション」や、水産加工用機械で数々の実績を誇る鍵本鐵工とのコラボ商品「天日いか乾燥機」、いきもんからは大手缶詰製造会社のマルハニチロとアートユニット・現代美術二等兵とのコラボ商品「缶詰リングコレクション」を発売しています。このように、カプセルトイにおけるコラボ先も多様化しているのでしょうか?

小野尾 様々な企業とのコラボ商品も増えるなか、最近では作家さんとのコラボ商品も非常に増えてきました。とくに昨年あたりからは女性人気も高まっているようです。街中でも鞄につけている様子を頻繁に見かけます。

カシオ計算機の完全監修によるリング「CASIO ウィッチリングコレクション」。デジタル表示部分、文字盤、ガラスの3層構造になっている点もポイント
水産加工用機械メーカー・鍵本鐵工とのコラボ商品「天日いか乾燥機」。実際に使われているいか乾燥機の回転ギミックも再現。対馬名産の魚類シートも付属
大手缶詰製造会社のマルハニチロとアートユニット・現代美術二等兵とのコラボ商品「缶詰リングコレクション」。「あけぼのさけ」「金線べにずわいがに」など、実際にある缶詰商品を再現(すでに完売しているため現在は販売終了)
イラストレーター・HONGAMA がつくる陶器作品のミニチュアフィギュア「HONGAMA miniature collection」。個性的なキャラクターたちが手のひらサイズで登場
ぬいぐるみ作家・尾崎歩美が展開するぬいぐるみ・雑貨ブランド「mojojojo」のフィギュアマスコット。全種類フロッキー仕様でつくられており手触りも抜群

 コラボによる進化のほかに、実用性を持たせたものが出てきたという点も、カプセルトイの進化のひとつです。トイズスピリッツは、実際に氷を削ることができるミニチュアかき氷器や、栓を開けると水が出てくるミニチュアウォーターサーバーをつくっています。また録音・再生ができるミニチュアのガラケー(ガラパゴス携帯電話)なんていう商品も。「実際に使える」という特別感に大きな魅力を感じますね。

ハンドルを回すと本当に氷が削れるミニチュアかき氷器シリーズ「本当に作れる!レトロかき氷器&シロップサーバー〜夜空の華〜」。ミニチュアサイズでも氷が削れるよう、刃の角度の調整など細かな試行錯誤で開発が実現。食品衛生法試験に合格しているため削ったかき氷は実際に食べることが可能
ミニチュアサイズのウォーターサーバー「本当に使える!?ミニチュアウォーターサーバー」。タンクに水を入れ、レバーを捻ると小さなコップに水を注ぐことが可能。食品衛生法試験に合格しているので、出てきた水は飲むことができる
録音再生ができる懐かしいガラケーのミニチュア商品「本当に録音再生!なつかしのガラケーマスコット〜+プラス」。電話の「出る」ボタンで録音開始(再び押すと録音終了)、電話の「切る」 ボタンで録音した音声を再生できる。画面中のシートを好きな写真などに差し替えることで、待受画面を変えることが可能。デコシール付き

 カプセルトイは、「玩具」ではなく「雑貨」、あるいは一種の「作品」だといってもよいと考えています。驚くほど精巧かつ、つくり手独自のアイデアが詰め込まれている。そしてこれらが300〜500円ほどの価格で手に入るという点もあわせて、「カプセルのなかで進化した」日本のものづくりの結晶だと言えるでしょう。

小野尾さんお気に入りのカプセルトイ「旭ハウス工業オリジナル 仮設トイレコレクション」。24分の1スケールで仮設トイレを再現。4種類のシリーズ内には洋式トイレバージョンもある

編集部

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