『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』の登場人物・岸辺露伴を主人公としたドラマシリーズの映画版『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』がAmazon Prime Videoに登場。
人の記憶を本のようにして読む特殊能力を持つ漫画家・岸辺露伴(高橋一生)。新作を執筆する過程で、青年時代(17歳の露伴/長尾謙杜)に淡い思いを抱いた女性・奈々瀬(木村文乃)に聞いたこの世でもっとも「黒い絵」のことを思い出した露伴は、現在その絵がフランス・ルーヴル美術館に保管されていることを知る。
「黒い絵」は、この世に存在しえない黒で描かれた、この世でもっとも「邪悪な絵」。その絵にまつわる奇妙な事件に興味を持った露伴は、取材とかつての微かな慕情のために、担当編集・泉京香(飯豊まりえ)とパリへ向かう。
『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』
1988年にパリでファッションブランド「マルタン・マルジェラ」を興し、服の概念を解体し続けたデザイナー、マルタン・マルジェラ。2009年に発表された10年春夏コレクションの際にはすでに引退していたとされており、キャリアを通して公の場に姿を現さず取材や撮影を断り続け、そのすべてが謎に包まれていた。
そのマルジェラ本人が初めて制作に協力したドキュメンタリー映画が『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』(原題:『Martin Margiela: In His Own Words』)だ。マルジェラは「顔は写さない」という条件のもと、同作で謎に包まれてきた自身について語る。初めて公表するドローイングや膨大なメモ、7歳でつくったという人形の服などのプライベートな記録のほか、ドレスメーカーだった祖母からの影響、ジャン=ポール・ゴルチエのアシスタント時代、足袋ブーツの誕生の、世界的ハイブランド、エルメスのデザイナーへの抜擢、そして突然の引退などの全容を、カメラの前でマルジェラ自身が明かしている。
『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』
19世紀末ウィーンを代表する画家、グスタフ・クリムト(1862〜1918)とエゴン・シーレ(1890~1918)。このふたりを中心とし、ウィーン世紀末文化全体に焦点を当てたドキュメンタリー映画『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』が、6月より公開される。監督は、映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』で美術を担当したミシェル・マリー。日本語ナレーションを俳優・柄本佑が担当した。
クリムトとシーレの没後100年となった、2018年に製作された美術ドキュメンタリーである本作では、豊富な映像資料によって、クリムトとシーレが生きた19世紀末ウィーンに花開いたサロン文化と、愛と官能性に満ちた絵画をつまびらかに見せつける。
『レンブラントは誰の手に』
2018年、44年ぶりにレンブラントが描いた肖像画が発見されたニュースが、世界に衝撃を与えた。競売で落札した絵が実はレンブラントの作品だったと発表したのは、野心に燃える若き画商のヤン・シックス(11世)。それは果たして本物のレンブラント作品なのか、はたまた無名の画家の作品か。一枚の肖像画をめぐる議論は、やがて真犯人を探すミステリーのような展開となる。本件をとらえたドキュメンタリーが『レンブラントは誰の手に』だ。
監督を務めたのは『みんなのアムステルダム国立美術館へ』(14)で美術館の舞台裏に深く切り込んだウケ・ホーヘンダイク。美術ドキュメンタリーを専門に、長期間にわたる取材によって数多くの作品を発表してきたホーヘンダイクは、本作を「アートスリラーとしてつくりたかった」と語る。その言葉通り、美術界を大きな混乱と興奮に陥れた大騒動とその顛末が、スリリングかつサスペンスフルに映しだされる。