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アート業界の欺瞞をスリリングに描く。『ザ・スクエア 思いやりの聖域』
美術館を舞台に、人間が持つエゴを描いた作品として高く評価され、第70回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞したのがリューベン・オストルンド監督による本作『ザ・スクエア』だ。
主人公は現代美術のキュレーター、クリスティアン。順風満帆なキャリアを重ねていたクリスティアンだが、次回の展覧会で発表しようとした作品《ザ・スクエア》と、路上で財布を盗まれたことに対して行った報復によって、キュレーターとしての人生は予期せぬ方向へと突き進んでいく。本作に垣間見えるのは、現代社会が抱える格差や差別、あるいはコンテンポラリー・アートシーンへの皮肉、表現の自由など、様々な要素。それらを通して、人間の本質へと切り込んでいく作品となっている。