論説:パンデミック時代のドイツの文化政策(2)【5/5ページ】

 

*1──藤野他編『地域主権の国 ドイツの文化政策』(美学出版、2017)、3頁以下。
*2──ドイツ文化評議会のプレスリリース
*3──5月22日時点ではフランクフルト市は予定通り10月13日に開幕したい考えだが未決定
*4──ドイツ文化評議会のプレスリリース
*5──ドイツ文化評議会のプレスリリース
*6──ドイツ文化評議会のプレスリリース
*7──ドイツ文化評議会のニュースレター
*8──ドイツニュースダイジェスト
*9──ライプツィヒ市ウェブサイト
*10──ライプツィヒ文化評議会の提言
*11──ドイツ連邦政府ウェブサイト
*12──ドイツ放送ウェブサイト
*13──秋野有紀『文化国家と「文化的生存配慮」』(美学出版、2019)は、現代ドイツ文化政策の公共性を「文化的生存配慮」の理論的基盤から徹底的に解明した労作で、ドイツにも類書はない。とくに118頁を参照のこと。
*14──ドイツ文化評議会のプレスリリース
*15──ドイツ文化評議会ウェブサイト
*16──その功罪については、拙編著『基礎自治体の文化政策』(水曜社、2020年)の250頁以下を参照のこと。
*17──「ハルツⅣ」は2005年、それまでの社会扶助(生活保護)と失業扶助を一本化して導入された「求職者基礎保障制度」の通称。これはさらに第1種失業手当と第2種失業手当に分かれる。第1種の適用は、過去2年間に12ヶ月以上雇用契約を結んでいたことが条件で、第2種よりも給付額が高い。フリーランスのアーティストは、個人自営業的活動と短期契約による非正規雇用とを組み合わせて生計を立てていることが多い。そのため純然たる個人自営業者としての要件を満たすことも、また第1種失業手当の要件を満たすこともできず、現行の救済策の枠組みから漏れてしまう。そのため低額の第2種失業保険の適用となる。しかもこれには生活保護の名残りがあり、アーティストの抵抗感は強い。
*18──余談だが、筆者はグリュッタースとは個人的に面識があり、数年前に京都と広島を訪れた時にはお相手をさせてもらった。彼女は国内の文化政策に責任をもっているが、対外文化政策は管轄外なので、公務での海外渡航は原則できない。そこで「お忍び」で日本に初めて来られたのだが、その理由は、どうしても広島を訪れて(負の歴史の)「記憶文化」について学びたかったとのこと。そして、連邦レベルの文化政策の第一目標は「記憶文化を通して過去の過ちを反省し、平和と民主主義の礎を築くこと」ときっぱりおっしゃられた。今回のコロナ危機でも、彼女のモラルに基づく決然とした態度に感銘を受けた。
*19──ベルリン市州のプレスリリース
*20──「ディー・ツァイト」ウェブサイト
*21── ライプツィヒ市文化局ウェブサイト
*22──ベルリン・ア・ライブウェブサイト
*23──ちなみにオラフ・ツィンマーマンは3月26日のドイツ文化評議会声明の中で「文化は危機における生きる手段だ」として、国立文化インフラ基金の創設を提言している。「文化は生きる手段」というスローガンは、2004年にドイツ文化評議会が発表した「生存配慮としての文化」をめぐる議論にまで遡ることができる。
*24──ドイツ連邦大統領ウェブサイト
*25──芸術支援は最優先事項。ドイツ・メルケル首相が語った「コロナと文化」(美術手帖)

編集部

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