EXHIBITIONS

KABIRAとKANGRI

ISSEY MIYAKE KYOTO|KURA
2022.04.29 - 06.12

©︎ ISSEY MIYAKE INC.

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 ISSEY MIYAKE KYOTOがKURA展「KABIRAとKANGRI」を開催。テキスタイルから発想するブランド「HaaT」より、インドの手業の原点である「KABIRA」と「KANGRI」を通じた服づくりの背景を紹介する。4月29日から6月12日まで。

「KABIRA」とは一針一針、細かく刺し縫いして生地を再生する「刺し子」の技法のこと。時を忘れ、無心に縫うことで、瞑想のような安らぎを得ることができるともいわれている。いっぽうのKANGRIは、縫い目に切り込みを入れて、三角形に縫製始末した衣服の「縁」のことをいい、土地柄、酷暑も多いインドでは、快適性を求めて細い糸づかいの極薄織物を纏う習慣が根づいている。

 本展はこの2つの技法を中心に、インドの最高水準のクラフツマンシップとHaaTによるデザインを融合させた衣服と、生地見本を展示。綿布の街・グジャラート州アーメダバードにある工房での制作風景を記録した写真と、写真家・高木由利子の視点で切り撮られたビジュアル写真で構成する。

 今回デザインを手がけるHaaTは、テキスタイルから発想するブランドとして2000年にスタート。トータルディレクター皆川魔鬼子のもと、日本とインドの工場と協働しながら、クラフツマンシップを丁寧に落とし込んだ温もりある衣服と小物を提案している。2021年からは、現代の多様なライフスタイルを時間軸でとらえた3つのラインで構成。熟練したつくり手から生まれた特別な日のための「EVERY MONTH」、あらゆる場面で着られる高品質な「EVERY WEEK」、そして、季節や気温変化にも対応する日々のための「EVERY DAY」を通して、天然素材が生かされたシンプルで普遍的な衣服を提案し、環境に配慮した原料や製法も取り入れながら、心豊かな暮らしを描く。

 インドのひたむきな職人たちによる生きた手仕事から垣間見る環境哲学。本展では、あえて手織りではない丈夫な紡績綿布を使用し、10年は楽しめることを念頭につくられた丈夫な服づくりを通じて、豊かさの本質とは何かを見つめる。