EXHIBITIONS

道後オンセナート2022

道後温泉地区
2022.04.28 - 2023.02.26

大竹伸朗 熱景/NETSU-KEI © Shinro Ohtake / dogo2021

大竹伸朗 熱景/NETSU-KEI(屋根西) © Shinro Ohtake / dogo2021

蜷川実花 道後温泉別館 飛鳥乃湯泉中庭インスタレーション © mika ninagawa Courtesy of Tomio Koyama Gallery / dogo2021

道後温泉本館 東側広場「振鷺亭(しんろてい)」

隅川雄二 道後温泉変遷之図譜 © yuji sumikawa / dogo2021

尾野光子 WARM UP DOGO

「道後オンセナート2022」ポスター デザイン:小林一毅

 愛媛県の道後温泉を舞台とした芸術祭「道後オンセナート2022」が4月28日より開催されている。

 道後温泉本館が改築120周年の大還暦を迎えたことを記念し、2014年に始まった「道後オンセナート」は、温泉という地域資源、松山市の温暖な気候、都市部の狭いエリアに密集している便利さに「アート」という新しい魅力が組み合わさり、初開催において多くの観光客や市民で賑わった。

 この取り組みは「蜷川実花×道後温泉 道後アート2015」、続いて「山口晃×道後温泉 道後アート2016」に引き継がれ、2017年には18ヶ月間にわたる「道後オンセナート2018」が開催。その後も「日比野克彦×道後温泉 道後アート2019・2020『ひみつジャナイ基地プロジェクト』」へと続き、「道後オンセナート2022」は待望の3回目、4年ぶりの開催となる。

 2022年は「いきるよろこび」をテーマに、過去最多となる国内外のアーティスト、クリエイターら約30組が参加。本祭は、重要文化財である道後温泉本館の保存修理後期工事期間中の活性化策として松山市が推進する「みんなの道後温泉 活性化プロジェクト」の一環となる。

 2021年からの先行公開作家は、大竹伸朗、蜷川実花、隅川雄二、尾野光子の4名。現在、保存修理工事が進められている道後温泉本館の素屋根テント膜では、大竹伸朗が手がけた巨大な作品が展示されている。

 蜷川実花は、道後温泉別館 飛鳥乃湯泉中庭の「ハダカヒロバ」で約230点もの花の写真を、屋外の床面に用いた大規模インスタレーションを展開。2種類のオリジナル提灯で装飾し、昼夜で異なる雰囲気を表現する。

 松山市在住のテクニカルイラストレーター・隅川雄二は、道後温泉本館の東側広場「振鷺亭(しんろてい)」で、道後温泉の歴史絵巻をテーマに制作した《道後温泉五如団子(どうごおんせんごしきだんご)》を披露。そして尾野光子は、スマートフォンと連動したオリジナルのARコンテンツ《WARM UP DOGO》を制作し、道後温泉本館からあふれ出る熱気をイメージしたキャラクターがリアルと混ざり合う景色をつくり出す(各作品の展示期間は公式サイトへ)。

「道後オンセナート2022」の特徴のひとつは、歩きながら楽しめること。会期中には道後温泉および周辺にて、自由に鑑賞できる常設のアート作品が設置される。また「マチコトバ」としてまちを一冊の詩集に見立て、俳人やミュージシャン、クリエイターら、多様な参加者がそれぞれに思いを込め選んだ言葉を路地裏や建物の壁面などに点在させるほか、「ハダカヒロバ」を主な会場に、いつ訪れても楽しめ、何度も訪れたくなるようなイベントを随時開催予定だ。

 日本最古の温泉のひとつとして、人の身体を、心を温め続けてきた道後温泉。「道後オンセナート」は、アーティストや市民とが協力しあって道後を訪れた人々の心身を癒し、そして活気あふれるまちを未来につなげることを目指す。