EXHIBITIONS

ジェフ・クーンズ×ベルナルド

ジェフ・クーンズ バルーン・ドッグ(ブルー) 2021 BERNARDAUD, © Jeff Koons

ジェフ・クーンズ ダイヤモンド(レッド) 2020 BERNARDAUD, © Jeff Koons

ジェフ・クーンズ バルーン・スワン(マゼンタ) 2017 © Jeff Koons

ジェフ・クーンズ バルーン・ラビット(バイオレット) 2017 © Jeff Koons

 金沢21世紀美術館はデザインギャラリーにて「ジェフ・クーンズ×ベルナルド」展を開催。フランスの伝統磁器ブランド「ベルナルド」と世界的アーティスト、ジェフ・クーンズによるコラボレーション作品を紹介する。

 ジェフ・クーンズは1955年ペンシルバニア州ヨーク生まれ。80年代に脚光を浴びて以降、ポップカルチャーのアイコンをはじめ、人々の目を引き付ける日常的な表象を用いた作品により、世界のアートシーンをリードしてきた。

 本展では、フランスのリモージュを代表する磁器ブランド「ベルナルド」との協働で、精巧につくられたクーンズの代表作「セレブレーション」シリーズが展示される。

 ベルナルドは1863年にフランスのリモージュで創業。卓越性、優れた品質、精密さというコアバリューを守りながら、創造性と革新性の最先端に立ち続けている。つねに変化し続ける磁器産業において、先進的な技術を開発し、磁器製造の芸術と科学における技術的な限界を押し広げ、最高水準へのこだわりをもって国際的に有名な現代アーティストとのコラボレーションも実現させている。

 今回のコラボレーションである「セレブレーション」シリーズは、1990年代半ばに制作されたクーンズにとって重要な作品だ。パーティを彩る動物型のバルーンという安価で軽やかなモチーフが、鏡面仕上げのステンレススチールによる巨大な彫刻となって現れる時、低俗さと高級さ、純粋さと魅惑、はかなさと永遠という対極的なコンセプトが作品のなかで重なり合う。それは、1年の中の特別な1日を祝うだけでなく、生のサイクルを祝う作品でもある。

「セレブレーション」シリーズを磁器によって再現するというプロジェクトは、クーンズの依頼で、いまから10年前に始まった。透明感のあるカラフルな色、全体の微妙なバランス、そしてとりわけクーンズが強く求めた、光を反射する滑らかな表面。複雑かつ入念にデザインされたクーンズの作品を忠実に再現するにあたり、ベルナルドのモデラー、装飾家、釉薬職人たちは、新たな専門技術の開発に取り組んだ。

 クーンズとベルナルド、新たなことに挑戦し完璧を追求し続ける両者の姿勢と、職人たちの技術が結実した作品を、会場で鑑賞してほしい。