EXHIBITIONS

金氏徹平「Fluorescent Green Boxと未発表、未完成作品」

金氏徹平 White Discharge(Built-up Objects)#0 2002-2022

金氏徹平 White Discharge(Built-up Objects)#0 2002-2022

金氏徹平 Sea and Pus(Green Moomin/Murano) 2015

金氏徹平 マルチプル作品「Fluorescent Green Box」木箱

金氏徹平 マルチプル作品「Fluorescent Green Box」木箱中身イメージ

金氏徹平 C.S.S.(Chinese Smoke Scape)#2 2017

金氏徹平 私と兎と象 2001-2022

 美術家、彫刻家・金氏徹平の活動20周年を記念した展示「Fluorescent Green Boxと未発表、未完成作品」がNADiff a/p/a/r/tで開催される。

 金氏は1978年生まれ、京都在住。2003年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻を修了。身の周りのものを素材にして部分を切り抜き、つなぎ合わせ、既存の文脈から離れた新しいイメージをつくり出すコラージュ的手法で作品制作を続けている。

 金氏は、異なる用途の日用品やおもちゃなどを接続し、白色の石膏や樹脂を流し固めることで再構築してひとつの集合体となる「White Discharge」、液体化粧品のイメージの切り抜きを別のスケール感を持つ写真と組み合わせることで、ズレを発生しながらつながる「海と膿」、建物や箱状のものに、球体や煙などの様々な大きさの正体不明のものが出たり入ったりする様子を描いた「tower」シリーズなど、表現方法は彫刻、インスタレーション、絵画、写真、映像など多岐にわたる。

 また「tower」シリーズでは、ドローイングからアニメーション、演劇、そして店へと展開するといったモノやイメージのつなぎ合わせにとどまらず、様々なジャンルの人々や事物とのかけ合わせなどのコラボレーションを積極的に行い、彫刻の概念を拡張している。

 本展では、金氏が活動初期から手を加え続ける「White Discharge」のプロトタイプや、未発表作品を公開。作家のこれまでの活動を改めて組み合わせ、現在の視点で再構成した展示であると同時に、これまでの作品をとらえ直すことで、様々な展開を遂げてきた金氏の、未来への起点にもつながる節目の展覧会となる。

 また展覧会開催に合わせて、過去20年間の作品のかけらや稀少なアートピースを封入したスペシャルボックス「Fluorescent Green Box」を限定販売。広報物、作品が掲載された雑誌、制作過程で生まれた破片など、金氏の活動を取り巻くあらゆるものがひとつの箱に収集される。作品販売は、NADiff a/p/a/r/t店頭および「OIL by 美術手帖」にて行う。

 なお本展と同時期に市原湖畔美術館では、「金氏徹平 S.F.(Something Falling/Floating)」(4月16日〜6月26日)が開催される。