EXHIBITIONS

baanai「UNLOGICAL」

MAKI Gallery / 天王洲 II, 東京
2022.02.05 - 03.19

baanai ARIGATOUGOZAIMASU(BBF 020H-36) 2022

baanai ARIGATOUGOZAIMASU(BBF 019G-70) 2021

baanai ARIGATOUGOZAIMASU(BBF 019G-71) 2021

 MAKI Galleryでは、神奈川県藤沢市を拠点に活動するbaanaiの個展「UNLOGICAL」を天王洲 II のギャラリースペースで開催する。

  baanaiは1977年藤沢市鵠沼生まれ。2015年にCOMME des GARÇONSの川久保玲にポートフォリオを送り、初めて作品が採用されたところから、一躍注目されるようになった。その後、多くのブランドに作品が起用され、次々に個展を成功させている。

 一見華やかにみえる活躍の裏側で、baanaiはひたむきに自身のアートを追求してきた。17年からは、キャンバスに「ARIGATOUGOZAIMASU」の言葉を繰り返し描くことを軸に芸術実践を続けている。執拗なまでに反復された文字によって画面全体を埋め尽くすという、作家独自のスタイルによって生み出される作品は、何層にも塗り重ねられ、見る者を奥に奥にと引き込む。

  かつて抑圧されたアートへの欲動、baanaiの出身地・藤沢市鵠沼のサーフィン文化、数々のブランドとのコラボレーションの経験などが色濃く反映された、色と色が重なり、言葉と言葉が重なった画面からは、まるで重厚なオーケストラの演奏が聴こえてくるようにも感じられる。いっぽうで、グラフィティの要素が強い表現と相まって、描かれた言葉はbaanaiの慟哭にも聞こえ、平面を構成する以上の空間性をつくり出し、作家の「生」を伝える。

  baanaiにとってMAKI Galleryでの初個展となる本展は、明るく鮮やかな作品だけでなく、静かなトーンの作品が多くを占める。ただただ優しく、そして誰よりもまっすぐに前を向き、心の底からあらゆる存在に感謝の念を注ぐ、作家自身をより的確に表した作品群が並ぶ。