EXHIBITIONS

荒木悠「双殻綱:第二幕」

2022.01.29 - 02.27

荒木悠「双殻綱:第二幕」
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

荒木悠「双殻綱:第二幕」
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

荒木悠「双殻綱:第二幕」
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

荒木悠「双殻綱:第二幕」
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

荒木悠「双殻綱:第二幕」
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

荒木悠「双殻綱:第二幕」
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

荒木悠「双殻綱:第二幕」
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

荒木悠「双殻綱:第二幕」
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

 無人島プロダクションでは、荒木悠の個展「双殻綱:第二幕」を開催する。

 本展は荒木悠が2017年に無人島プロダクションで開催した個展「Bivalvia: Act I|双殻綱:第一幕」に続く第二幕となる展覧会。前作公開から約4年半、2つの映像からなる「双殻綱:第二幕」を公開する。

 荒木悠は1985年山形県生まれ。ある事物がほかの土地へ伝播し、その過程で生じる変容や誤訳を伴いながら根付いていった物語に関心を寄せる。近年の映像インスタレーションでは、越境する文化的象徴としての「食べ物」が登場し、前回の「Bivalvia: Act I|双殻綱:第一幕」ではカキの殻に着想を得て、作中ではメタファーとしている。

 本展「双殻綱:第二幕」のメインとなる映像インスタレーションは、左右に分かれている二枚貝のように、「右殻」「左殻」を彷彿させる2つの異なる映像作品で構成される。これらの映像作品は昨年、コロナ禍のなか、オンラインで開催された「距離を巡る11の物語」(国際交流基金)および「Returning: Chapter 1」(シドニー・オペラハウス)という別々の展覧会で1作品ずつ発表された。

 どちらもフィジカルな展示を伴わないオンライン上でのスクリーニングだったこともあり、本作は無人島プロダクションで初めて2つの作品がよりアップデートされたかたちで出会い、フィジカルな空間で展示することになる。

 コロナ禍のなかで感染リスクが低いと思われる水中撮影を敢行し、硬く殻を閉じた貝から連想された沈黙、閉塞感をコミカルに表現した「右」と、シドニーオペラハウスの協力のもと、17世紀にヤコポ・ペーリが作曲した現存する世界最古のオペラ作品『エウリディーチェ』を題材にオペラ歌手とコラボレーションした「左」。二枚貝をモチーフにしつつ、寓意や神話の要素とそして新型コロナウイルスに翻弄された社会情勢をも反映させた、ミステリアスでありコミカルでもある2つの作品が呼応してつくり出す空間を本展で体感してほしい。