EXHIBITIONS

ボストン美術館所蔵

THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語

歌川国芳 小子部栖軽豊浦里捕雷 1834-35(天保5-6)頃 Bequest of Maxim Karolik Photograph ©︎ Museum of Fine Arts, Boston

歌川国芳 源頼光の四天王土蜘退治之図 天保10-11年(1839-40)頃 William Sturgis Bigelow Collection Photograph ©︎ Museum of Fine Arts, Boston

土蜘蛛退治図鐔 銘 松涛軒吾竹貞勝 明治時代(19世紀) Charles Goddard Weld Collection Photograph ©︎ Museum of Fine Arts, Boston

歌川国貞 武蔵坊弁慶 御曹子牛若丸 1813-14(文化10-11)頃 William Sturgis Bigelow Collection Photograph ©︎ Museum of Fine Arts, Boston

橋弁慶図鐔 江戸時代(19世紀) William Sturgis Bigelow Collection Photograph ©︎ Museum of Fine Arts, Boston

歌川国芳 川中島信玄謙信旗本大合戦之図 1845(弘化2)頃 William Sturgis Bigelow Collection Photograph ©︎ Museum of Fine Arts, Boston

太刀 銘 安綱 平安時代(11世紀) William Sturgis Bigelow Collection Photograph ©︎ Museum of Fine Arts, Boston

金梨子地家紋散糸巻太刀拵 江戸時代(17世紀) Charles Goddard Weld Collection Photograph ©︎ Museum of Fine Arts, Boston

 森アーツセンターギャラリーで、「ボストン美術館所蔵『THE HEROES ⼑剣×浮世絵-武者たちの物語』」が開催される。江戸時代に庶民の人気を博した「武者絵」の世界を、世界屈指の日本美術コレクションを誇るボストン美術館の浮世絵・刀剣・鐔(つば)でひも解く初めての試み。

『平家物語』のような軍記物語や、武勇伝説に登場する英雄(ヒーロー)を描いた武者絵は、江⼾時代に⼈々の⼈気を博した。浮世絵の祖と⾔われる菱川師宣の時代から江⼾後期の歌川国芳、明治期の月岡芳年に至るまで、多くの浮世絵師が武者絵を⼿がけ、源頼光、源義経、上杉謙信、武⽥信⽞などの武将のほか、スサノオノミコトの武勇、巴御前のような⼥武者の奮戦も数多く描かれた。

 本展は、武者絵および武者絵と共通のイメージがデザインされた⼑剣の鐔(つば)を通して、様々なヒーローたちの活躍を紹介するもの。世界最高水準の日本美術コレクションを誇るボストン美術館の所蔵品から厳選された刀剣と武者絵、そして刀剣の鐔が一堂に会す。

 展示は、「神代の武勇譚」「平安時代の武者」「源平時代の英雄」「鎌倉時代の物語」「『太平記』の武将たち」「川中島合戦」「小説のヒーローたち」のテーマで構成。菱川師宣や北尾政美、歌川国貞、歌川国芳、歌川広重、月岡芳年など、有名絵師の武者絵を物語の時代に沿って紹介する。

 本展で展示される武者絵118点は、すべてが日本初出展。鐔は、源頼光の「土蜘蛛退治」や、牛若丸と弁慶の「五条橋」など、武者絵と共通のイメージをもつ27点が、武者絵と並べて展示される。

 平安時代の名⼑や中世に活躍した⼑⼯の名品などを有するボストン美術館の⼑剣が日本でまとまって紹介されるのは、約半世紀ぶり。さらに、国内コレクションからも刀剣を特別に出品。膝丸、蜘蛛切、薄緑といった様々な名前をもつ源氏の重宝「刀 折返銘 長円(薄緑)」(個人蔵)や、 上杉謙信の愛刀「太刀 銘 来国俊 元享元年十二月日」(刀剣博物館[公益財団法人 日本美術刀剣保存協会]蔵)など、武者絵に関連する国内の刀剣が並ぶ。