世界最⾼⽔準の日本美術コレクションを誇るアメリカのボストン美術館。同館所蔵の武者絵と秘蔵の⼑剣が⾥帰りする展覧会が、2022年に森アーツセンターギャラリーで開催される。その詳細が明らかにされた。
ボストン美術館は1870年に市民が先導するかたちで設立し、1876年に開館。10万点もの日本美術コレクションを有しており、浮世絵版画にいたっては約5万点、刀剣は約600口を所蔵する。今回開催されるボストン美術館所蔵 「THE HEROES ⼑剣×浮世絵-武者たちの物語」は、そんなボストン美術館から選りすぐりの武者絵と刀剣を一堂に展示する企画展だ。
会場は、武者たちの物語を描いた浮世絵=武者絵と、武者絵と共通のイメージがデザインされた鐔(つば)を武者絵の物語の時代順に展示。庶民の人気を博した武者絵の世界を、浮世絵・刀剣・鐔で紐解く初めての展覧会となる。
武者絵に関しては菱川師宣、勝川派、歌川国貞、歌川国芳、月岡芳年などの有名絵師の作品118点を展示。すべてが日本初出展となる。
また鐔は「土蜘蛛退治」や「五条橋」など武者絵と共通のイメージを持つ27点を展示。
刀剣は、平安時代から江戸時代末期まで、日本刀の歴史をたどることができる名刀20口を見ることができる。ボストン美術館の⼑剣が日本でまとまって紹介されるのは約半世紀ぶりのことだ。
なお会場では、源氏の重宝「太刀 折返銘 長円(薄緑)」(個人蔵)や上杉謙信の愛刀「太刀 銘 来国俊 元亨元年十二月日」(刀剣博物館(公益財団法人 日本美術刀剣保存協会)蔵)など、国内の刀剣も特別出品される(特別出品は会場ごとで異なる)。