EXHIBITIONS

益永梢子「replace」

2021.11.12 - 12.12

益永梢子 上は《D-1》、中は《D-2》、下は《D-3》(いずれも2021)

 益永梢子(ますなが・しょうこ)の2年ぶりとなる個展「replace」がLOKO GALLERYで開催される。

 益永は1980年大阪府生まれ。2001年に成安造形短期大学 造形芸術科洋画クラスを卒業し、18〜19年に文化庁新進芸術家海外研修員としてニューヨークに滞在した。主な個展に、「Box,Box,Box」(Cooler Gallery( ニューヨーク、2019)、「クリテリオム93 益永梢子展」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、2018)。

 益永の制作は、ルールやアルゴリズムを設定することから始まり、その作品の多くは、絵画と彫刻を横断するような形態をとる。また展示される環境との関係性から思考をはじめ、様々な方法を用いながらも共通して入れ替えが可能な性質をもつ動的な絵画を手がけている。作家にとってのルール設定は、「ルールを自分でつくることができる自由」が自身のの思想とつながっている実感があると言う。

 益永は本展を開催するにあたり、LOKO GALLERYのビルの外観や、内部の吹き抜け構造、自然光が差し込む天窓、1階と2階の空間の差など、作品を展示する環境がどのような意図でつくられ、どのような時間を内包するのか、観察することから始めた。

 本展で展示する最新作は、単体でも成立するタブローを壁面に複数積み上げ、環境と作品のスケールやかたち、色彩との相関関係から生まれる視覚的、心理的な効果を鑑賞体験に組み込もうと試みている。伝統的な法則にしばられない組み換え可能な絵画は、各々に再制作を楽しむ余白を与え、鑑賞者の主体性を引き出す。