EXHIBITIONS
松江泰治 マキエタCC
世界各地の地表を独自の視点でとらえる写真家・松江泰治。その個展「松江泰治 マキエタCC」が東京都写真美術館で開催される。
松江は1963年東京都生まれ。2002年に第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。画面に地平線や空を含めず、被写体に影が生じない順光で撮影するといったルールを設け、世界各地を撮影した作品で写真の本質を問い直すような平面性を生み出しきた。
本展では、作家がこれまでに制作してきた作品の中から、2つのシリーズ「CC」と「makieta」を、初公開となる新作も交えて紹介する。
2001年から制作されている「CC」は、「シティー・コード(City Code)」を略したシリーズで、各作品のタイトルには撮影地の都市コードが付されている。ギリシャ・アテネから撮影が始まったこのシリーズでは、作家が訪れた世界各地の都市の諸相が克明に写し出され、また画面全体にピントを合わせることで、奥行きが取り除かれ、画面上にあらゆるものが等しく存在している。
いっぽう、2007年から制作されている「makieta」の「マキエタ」とは、ポーランド語で模型を意味する言葉。同名シリーズの作品にも都市コードや地名が付され、実際の都市や自然を撮影したほかの作品と同じルールで、世界各地の都市や地形の模型が写されている。エクアドル・キトの博物館に展示されていた模型を起点に、レンズを通して模型から立ち現れる風景には、現実と見紛うほどの精巧さがあり、その曖昧な境界は写真の本質を浮き彫りにする。
松江のミッドキャリアに開催される本展は、写真の本質に迫る2つのシリーズ「CC」と「makieta」を通して作家の現在地を示すとともに、その表現の可能性を探るもの。変わらないコンセプトと変化する表現、また写真作品と同じく独自のルールで撮影された映像作品にも注目してほしい。
松江は1963年東京都生まれ。2002年に第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。画面に地平線や空を含めず、被写体に影が生じない順光で撮影するといったルールを設け、世界各地を撮影した作品で写真の本質を問い直すような平面性を生み出しきた。
本展では、作家がこれまでに制作してきた作品の中から、2つのシリーズ「CC」と「makieta」を、初公開となる新作も交えて紹介する。
2001年から制作されている「CC」は、「シティー・コード(City Code)」を略したシリーズで、各作品のタイトルには撮影地の都市コードが付されている。ギリシャ・アテネから撮影が始まったこのシリーズでは、作家が訪れた世界各地の都市の諸相が克明に写し出され、また画面全体にピントを合わせることで、奥行きが取り除かれ、画面上にあらゆるものが等しく存在している。
いっぽう、2007年から制作されている「makieta」の「マキエタ」とは、ポーランド語で模型を意味する言葉。同名シリーズの作品にも都市コードや地名が付され、実際の都市や自然を撮影したほかの作品と同じルールで、世界各地の都市や地形の模型が写されている。エクアドル・キトの博物館に展示されていた模型を起点に、レンズを通して模型から立ち現れる風景には、現実と見紛うほどの精巧さがあり、その曖昧な境界は写真の本質を浮き彫りにする。
松江のミッドキャリアに開催される本展は、写真の本質に迫る2つのシリーズ「CC」と「makieta」を通して作家の現在地を示すとともに、その表現の可能性を探るもの。変わらないコンセプトと変化する表現、また写真作品と同じく独自のルールで撮影された映像作品にも注目してほしい。