EXHIBITIONS

ギフト、ギフト、

2021.11.03 - 2022.02.20

「ギフト、ギフト、」ちらし

八戸市美術館 外観 撮影=阿野太一

八戸市美術館 内観 撮影=阿野太一

 八戸市美術館は、「種を蒔き、人を育み、100年後の八戸を創造する美術館~出会いと学びのアートファーム~」をテーマに、2021年11月3日に生まれ変わって開館。開館記念として「ギフト、ギフト、」と題し、八戸を代表する祭りである「八戸三社大祭」を出発点に、アートを通して「ギフト」の精神を見つめる展覧会とプロジェクトを開催する。

 300年の歴史を誇る「八戸三社大祭」は、祈願成就の感謝を込めて行った神輿行列が始まり。明治時代に、地域の人々の手で毎年つくり替えられる「風流山車」が加わったことで、創造活動を介したコミュニティが生まれ、現在でも人々の支えあいが育まれている。

 本企画では、「ギフト」を道標に、地域のリサーチから着想を得た新作や浮世絵などの多彩な作品を展示。インスタレーション、浮世絵、写真、映像、陶芸、音楽、建築など多様なジャンルの作品が揃う。

 参加アーティスト・コレクションは、浅田政志、江頭誠、大澤未来、大西幹夫、KOSUGE1-16、田附勝、田村友一郎、西澤徹夫・浅子佳英・森純平、八戸クリニック街かどミュージアム浮世絵コレクション、桝本佳子、向井山朋子の11組。会場構成は、西澤徹夫・浅子佳英・森純平(八戸市美術館設計者)が手がける。

 作品や地域への学びを深めるプロジェクトが全館で展開される本展。ここで出会うローカルかつ普遍的な「ギフト」の精神を、「100年後の八戸を創造する」ための種として見出し、あらゆる人たちと共に育んでいくことで、新たな美術館は第一歩を踏み出す。

 過去から未来へ、人から人へと巡る「贈与=ギフト」は、これまでの社会で求められてきた価値とは異なる豊かさを、これからの社会に生み出すヒントとなるだろう。