EXHIBITIONS

大竹伸朗「残景」

2021.10.30 - 12.18

大竹伸朗 残景1 2019 © Shinro Ohtake Photo by Kei Okano Courtesy of Take Ninagawa Tokyo

 Take Ninagawaでは、アーティスト・大竹伸朗の個展を開催。「残景」と題する本展では、大竹の絵画シリーズを紹介する。

 大竹は1955年東京都生まれ。絵画を軸に、音や写真、印刷物などを様々に取り込んだ作品を制作している。近年は、熊本市現代美術館および水戸芸術館現代美術ギャラリーで個展「大竹伸朗 ビル景 1978-2019」を開催。これまで展覧会に多数参加。主なパブリック・コレクションにニューヨーク近代美術館、ミネアポリス美術館、ダラス現代美術館、ヴィクトリア & アルバート博物館、M+、東京国立近代美術館、東京都現代美術館、ベネッセアートサイト直島などがある。

 大竹の「残景」シリーズは、近年取り組んでいた立体的構造を備えたコラージュを経て、その実践を絵画に組み込んだもの。大理石の粉末や砂、小石などの素材を油彩と組み合わせた分厚い堆積物からなる「記憶の最後に残る光景」を探求し、光や視点によって表情を変える同名シリーズは、絵画であり、彫刻であり、建築モデルでもあり、また、保存という行為が臨界点に達する、創造的なアイディアが生まれる瞬間とも言えるだろう。

 東京国立近代美術館での回顧展を2022年に控えて、同ギャラリーでは5年ぶりの新作展となる。