EXHIBITIONS

ヌケメ 個展「Glitch Embroidery」

2021.10.30 - 11.14

Nukeme Vaccine Trilogy 2021 Photo by Naoki Takehisa

  LEESAYAは、ヌケメによる個展「Glitch Embroidery」を開催する。10月30日~11月14日まで。

 ヌケメは1986年岡山県に生まれ、2008年に服飾の専門学校であるエスモード大阪校を卒業後、上京。ファッションや広告業と平行して、テクノロジーを活用した作品制作にも意欲的に取り組んでおり、12年には「文化庁メディア芸術祭」にて審査委員会推薦作品に、14年には「YouFab Global Creative Awards 2014」ファイナリストに選ばれた。

 ヌケメの活動と制作は、ファッションブランドや企業、キャラクターとのコラボレーション、広告イメージのディレクション、スタイリング、音楽、執筆など多岐にわたる。アウトプットの支持体こそファッションアイテムを多く使うが、一貫してそれぞれをメディアのひとつとしてとらえ、日々往来する大量の情報を消化し、実験と実践を繰り返す。その態度は、bot(プログラミングされたタスクや情報処理を自動的に行うアプリケーション、またはプログラム)のような佇まいさえ感じさせる。

 膨大に広がるインターネットの世界に輪郭を見出せないように、ヌケメというアーティストは現代の情報の波を静観し、体現するような存在とも言えるだろう。本展では、ヌケメの代表作でもあるグリッチ刺繍の作品群を発表。コンピュータミシン用の刺繍データのバイナリ(2進数化された情報)を書き換え、針の動きに直接グリッチを起こす作品だ。

 グリッチ(Glitch)とは、データや機器の破損そのもの、もしくは、破損しているが再生可能なデータの状態のことを意味する。意図的にデータを破損させ、破損した状態を出力することで、見慣れたイメージやロゴが鑑賞者に認識のバグを起こす。