EXHIBITIONS

鈴木淳夫「彫る絵画 – Monochrome –」

2021.09.17 - 10.16
 鈴木淳夫の個展「彫る絵画-モノクローム-」がTEZUKAYAMA GALLERYで開催される。会期は9月17日~10月16日。

 鈴木は1977年愛知県豊橋市生まれ。2001年に静岡大学大学院教育学研究科を修了し、現在は生まれ故郷の豊橋市を拠点に活動。鈴木は自身の作品を「彫る絵画(Carved Painting)」と称し、幾重にもパネルのうえに塗り重ねた絵具の層を彫刻刀で削り出すことで様々な図柄を描く作風で制作を重ねてきた。彫漆にも似た制作方法だが、鈴木がつくり出す画面は、作家の息づかいすらも感じ取れる程の鮮明な行為の痕跡として鑑賞者に提示される。同時に「彫る」という反復行為によって顕在化した絵具の断層は、作家が作品と対峙した膨大な時間を物語っている。

 TEZUKAYAMA GALLERYでの初個展(2019)では、色の三原色である赤、青、黄の三色に限定した作品構成で、大作3作品を含む大掛かりな展示を行った鈴木。彫刻刀での彫り方を変えることで様々な異なる印象に仕上げ、圧倒的な存在感を見せた。

 本展では、白黒のモノクロームに統一した作品群を発表。新たな立体作品と平面作品の融合させた、前回の個展とはまったく違った印象を持つ空間を構想し、また、実際に作品の表面から削り取った絵具片でつくられた立体作品や平面の小品も展示する。

「2年前の個展では、赤・青・黄の三原色をテーマにし、強い画面を作ることを目指しました。原色を使った反動により、モノクロームの世界を表現したくなりました。そして近年、平面作品と彫ることで出る絵具片の関係を追求しました。絵具片を平面にしたり、壁に掛けたり床に撒いたりする事で、ギャラリー空間に関連性を持たせ、鑑賞者の視線が行き来できるような空間になることを目指しています(鈴木淳夫)」。