EXHIBITIONS

香りの器 ~高砂コレクション~

2021.06.12 - 07.04

ドーム兄弟 百合文香水瓶 1900年頃

赤絵式把手付香油瓶 前6世紀

七宝花鳥文香炉 明治時代

マイセン 色絵香水瓶「恋人たち」 19世紀

 古くから宗教的な儀式や、王侯貴族の生活に用いられてきた香油や乳香、没薬など、人々の生活と密接なかかわりをもって進化してきた「香り」。それらを保管するために、古代オリエントの香油壺や古代ローマン・ガラスが生まれた。

 近代になると、陶磁器や華やかなアール・ヌーヴォー、アール・デコの器に人々は魅了され、現代の香水メーカーはそれぞれが特徴のある香水瓶を製造。また日本では伝統的な香道具の贅を尽くした漆工芸品など、人々が生活のなかで愛した香りにかかわる工芸品がつくられた。

 本展では、2020年に創業100年を迎えた高砂香料工業が長年にわたり収集する「香りの器」のコレクションのなかから、選りすぐりの約200点を一堂に展示し、古今東西の「香りの器」を展覧する。

「高砂コレクション®」を有する高砂香料工業(創業者・甲斐荘楠香[かいのしょう・ただか])は、1920年に合成香料を製造する会社としてスタート。いっぽうで、香りは文化であるという認識のもと、高砂コレクションの収集をはじめ、香り文化の支援と普及にも取り組む。同コレクションは、古代エジプトの香油瓶から20世紀の香水瓶に至る香りの器のほか、日本の香道具や香木、さらには香りに関する絵画やポスターといった、多様な時代と地域、形態の収蔵品からなる。